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ハイド・アンド・シーク

執筆:大岩 雄典 

公開:2019年10月23日

【レビュー】「かくれんぼ」。宮坂の展示空間ではこの言葉が思い浮かぶ。英語で「hide and seek」、「隠れては探す」遊びだ。画角・視野におさまると言うとき、つねにその範囲から逃れて「隠れる」存在の話をしてしまう——まさに、そうした存在を追うように、視界をそちらにふいに向けてしまうように。

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Artists in FAS 2018 入選アーティストによる成果発表展

公開:2018年11月11日

【レビュー】触れる、造る、交わるFASアート2018年秋の収穫―晴れた秋の日、藤沢市のJR辻堂駅から徒歩5分の会場で行われている「Artists in FAS 2018 入選アーティストによる成果発表展」に寄る。

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モネ それからの100年

公開:2018年08月24日

【レビュー】1918年にモネが《睡蓮》大装飾画の国家寄贈を提案してから100年目にあたる。印象派のモネは日本では一般的に人気があって、夏休みは特に混雑している展覧会だ。しかし、これはモネだけに焦点を置いた展覧会ではない。“Monet’s Legacy” 「モネからの遺産」をどのように近現代の芸術家が受け継いできたかを鑑賞できる展覧会なのだ。

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「Scholar」-ガブリエル・デルポンテと湘南ゆかりのアーティストたち-

公開:2018年08月09日

【レビュー】Scholar展の会場、藤沢市アートスペース(愛称FAS)は若手アーティストの支援を中心とした美術振興施設である。

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建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの

公開:2018年4月27日

【レビュー】世界中から注目されている日本の建築。東京・六本木の森美術館にて、『建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの』が開催されている。

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異界へと通じる「瀬戸内国際芸術祭 2016」・夏の行路――宮浦ギャラリー六区の丹羽良徳とドンドロ浜商店のパトリック・ツァイ

執筆:F.アツミ 

公開:2016年8月5日

【新着レビュー!】宝石のように海に散りばめられた光の照り返しに包まれて、宇野港から直島へのフェリーで瀬戸内国際芸術祭 2016 夏を訪れた。第3回目となる今回の芸術祭では、春・夏・秋の3期に分かれて、国内外から200を超える作品が瀬戸内の島々を彩ることになる。

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6AM中心と端もない6PM 展

執筆:宮坂 直樹 

公開:2015年1月16日

2014年7月、馬喰町に「Alainistheonlyone」という名のコマーシャルギャラリーがオープンした。こけら落としは、今年3月、京都市立芸術大学大学院を修了したばかりの谷中佑輔の個展である。谷中は今年に入って『アートアワードトーキョー丸の内2014』 でグランプリを受賞したほか、既に複数のグループ展に参加するなど、活躍の目覚ましい作家である。

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浅野綾花:ここに住んでいる

執筆:黒木 杏紀 

公開:2014年12月9日

日々の生活の中で、私たちはたくさんのことを感じながら生きている。そして、その大部分は忘れさられていき、ときに鮮烈な感情は記憶として残される。確かなのは、消えゆくものも深く心に刻みこまれたものも含めて、その積み重ねで今の自分がいるということだ。

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コンダンサシオン:アーティスト・イン・レジデンス展

執筆:宮坂 直樹 

公開:2014年7月2日

凝縮、集中、圧縮、要約という意味の「コンダンサシオン」を名に持つ展覧会が、3月20日より6月30日まで銀座メゾンエルメスで開催された。

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余裕と優しさ

執筆:安河内 宏法 

公開:2014年5月14日

美術作家の木内貴志が同時期に開催したふたつの個展は『続 木内貴志とその時代~さようならキウチさん~』(Gallery PARC/京都)、『続続 木内貴志とその時代~帰ってきたキウチさん~』(GALLERY wks./大阪)と題されていて、前者では新作が、後者では過去作が展覧されていた。

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新・方法とハイレッド・センターに関する考察-アップローディング・イヴェントを通じて

執筆:石井 香絵 

公開:2014年5月2日

2011年8月27日、「新・方法」の平間貴大、馬場省吾、中ザワヒデキは「アップローディング・イヴェント」を開催した。事前に公開されたイヴェントの告知文は、以下のような内容であった。

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《Music for Plants》大友良英の場合―ピーター・コフィン《Untitled (Greenhouse)》での演奏を中心に

執筆:田中 麻帆 

公開:2014年4月5日

音楽は誰のために、そして何のためにあるのだろう。当然、これは人によって様々な答えを生む問いであり、明確な意義を即答できるはずもない。音楽を「アート」に置き換えてみても、そこに別の言葉―地名、機関、施設―を当てはめたとしても、また然りである。しかし甚大な事故が起きた時、あるいは大規模な利害が絡む時、周囲にいる私たちはこの自明の前提が見えなくなってしまうのかも知れない。筆者は、ミュージシャン大友良英による活動を通して、このことについて考える機会を得た。

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アートホーリーメン《HORYMANと鯱》

執筆:石井 香絵 

公開:2014年3月22日

《HORYMANと鯱》はアートホーリーメンが長年にわたって描き続けてきた長編作だ。大小さまざまな用紙にコマ割りされ、ふきだしや文字とともに描かれた大量の絵画群は、読み物としてはマンガだが、展示物として観ればドローイング作品でもある。

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ドキュメンタリー映画『キューティー&ボクサー』

執筆:田中 みずき 

公開:2014年1月16日

気持ちの良い位やんちゃな生き様で、存在を知ってしまったら目を離せなくなる男が一人居る。

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宮永愛子:なかそら -空中空-

執筆:黒木 杏紀 

公開:2012年12月31日

会期:2012年10月13日(土)~12月24日(月・休) 会場:国立国際美術館
宮永愛子が作り出すナフタリンのオブジェと記憶というのは似ているのではないだろうか。記憶は経験した瞬間から時間とともに移ろい忘却の一途をたどるが、それは消失するのではなく、新しい経験値として蓄積され個人の趣味嗜好や価値観や人格の形成に影響をおよぼす。

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郷土作家展 吉本直子・久保健史・浅田暢夫:内包の布 空間の石 存在の写真

執筆:黒木 杏紀 

公開:2012年11月24日

会期:2012年9月13日~10月21日 会場:姫路市立美術館
世界遺産である姫路城に隣接する姫路市立美術館で開催された郷土作家展は、播磨ゆかりの3人の作家吉本直子、久保健史、浅田暢夫と美術館が相互協力する中で実現された。

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園子温監督映画「希望の国」

執筆:田中 みずき 

公開:2012年11月6日

公開日: 2012年10月20日(土)より、各地域順次公開
本作は、問題作だ。東日本大震災の後の、「長島県」という架空の土地を舞台にした物語である。「福島県」とも「広島県」とも「長崎県」とも似た名前の「長島県」には、牛の牧畜を営む若夫婦と老いた両親、そしてそのご近所の家族らが暮している。ある日、大震災が起き、長島県にあった原子力発電所が爆発する。若夫婦は父親に強いられ避難し、老いた両親は家に残る。そこから、物語が始まる。

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笹川治子:case.D

執筆:黒木 杏紀 

公開:2012年11月2日

会期: 2012年9月1日(土)~2012年9月17日(日) 会場:Yoshimi Arts
私たちは科学技術の発展によって得られた便利さを当たり前のように生活に取り込んでいる。知りたい情報は即時手に入り、気温にかかわらず快適な室内で過ごすことができ、日常のルーティン作業は効率化し、死ぬはずの命でさえ長らえさせることができるようになった。一方、その裏で見落としているものはないだろうか。

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最後の手段:深山にて

執筆:田中 麻帆 

公開:2012年8月9日

会期: 2012年5月12日(土)~2012年7月14日(土) 会場:OVER THE BORDER
木々の繁る山の中、少女がさまよっている。彼女は歩くたび、自分の皮を破って進んでいて、後ろには分身のような抜け殻が点々と残る。これは夢の中の風景なのだろうか?

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影に吠える

執筆:田中 麻帆 

公開:2012年8月3日

会期: 2012年6月16日(土)~2012年7月14日(土) 会場:AI KOWADA GALLERY
月に吠える」ではなく、「影に吠える」。遠く手の届かないものではなく、あくまで身近な、例えば自分自身の影から出発しているような、率直な発露。そして「影」という言葉からは想像もつかないほど、四者四様の色鮮やかな画面が並ぶ。

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第5回写真「1_WALL」グランプリ受賞者個展 清水裕貴展「ホワイトサンズ」

執筆:田中 麻帆 

公開:2012年7月28日

会期: 2012年6月25日(月)~2012年7月12日(木) 会場:ガーディアン・ガーデン
「ホワイトサンズ」は、アメリカ・ニューメキシコ州に位置する白い砂丘の名前である。ただし、展示の一連の写真の中では、この「白い砂」は単に特定の地名ではなく、砂漠になり、白い雪にもなり、朽ちた木、洗車場の廃液にさえなる、変幻自在で可塑的なイメージをはらむ。もしかすると、この風景を満たす透き通った陽光も「ホワイトサンズ」のイメージの一部かもしれない。


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