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島州一:銀河鉄道77
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2013年 4月 17日

T-Shirt 144
2012年 90.5×63cm
紙にガッシュ、アクリル

双ギャラリーでは4月5日(金)より、島州一展「銀河鉄道77」を行います。

島州一は1950年代より作家としての活動を始めており、前衛的な版の仕事で高い評価を受けました。10数年前からは長野県に居を移し、制作活動を続けております。
1987年に双ギャラリーで行われた「アナログとデジタルの変換」展で、島は机を解体してパーツをトレースする作品を展開致しましたが、その後も様々な形でトレースする行為を発展させています。 近年は絵画と言う手法を用い、初期からのトレースより更に大きく変化してきました。
このシリーズの一つに「Tracing - Shirt」があります。日常島が着用しているシャツをトレースし、平面である絵画に置き換えるという行為です。 これは単なるシャツのトレースという行為のみならず、彼の自宅から見える浅間山の風景をシャツの絵画に重ねています。 彼の視点を通して見える新たな浅間山のかたち、それは彼の心象風景をもトレースしている行為と言えるかもしれません。
そこに、2011年3月11日を経て島が得て来た想いも、反映されているように思います。 島自身のブログでも、今回の作品に関連した文章が掲載されています。

[作家コメント]
Tracing-Shirt ASAMA→ADATARA銀河鉄道によせて

2011年3月11日以降、半年ほど経て、今ここに或るという印のイコンとして十字形が生まれ、小諸高原美術館での個展インスタレーションに使われた。

3.11の被災を弔う心からか、自然に父親の形見の黒いネクタイがトレーシングシャツ上に置かれ、その上に更に十字形の、死者たちが、宮沢賢治の銀河鉄道に乗って、暗い宇宙を飛んでいるというイメージで制作が始まった。

そのイメージは、浅間山の象徴であるトレーシングシャツの上に銀河鉄道が生まれ、それが東北地方の安達太良山に続いているという図である。

私の父親を始め、3.11の死者たちが楽しそうに、宮沢賢治の死んだ妹と共に、浅間や安達太良山の上空をいつも漂っている。


全文提供:双ギャラリー
会期:2013年4月5日(金)~2013年4月28日(日)
時間:13:00〜18:00(日曜日は17:00まで)
休日:月~木
会場:双ギャラリー
最終更新 2013年 4月 05日
 

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