［作家コメント］
「カメレオン」　

幼い頃、なりたい人を発見すると、さり気なくその人へ目を向けて瞬きをし
目を開け、視線を自分の体へ落とし、もう一度深く瞬きをした。
残像を体に写し込むようなこのオマジナイを繰り返ししていれば
「自分自身もそうなれる」と、強く信じていたのだ。
それは今の僕が写真を撮りたいと、そう思う理由と変わらない。

こうして今も、少年の頃と相変わらず同じような事をして、同じような事で泣いて笑っている。
「それでもいい」と思っていたのを「それがいい」と、この頃そう大切に感じるようになった。

その先にあるもの、もしくはその根っこに集まるものが
僕がいつも行きたいと足を向けていた、場所のことではない「どこか」なのだと気付いた。

小田川　悠

［作家プロフィール］
小田川 悠

１９８７ 東京生まれ
東京ビジュアルアーツ写真学科 卒業

全文提供：ギャラリー蒼穹舎

会期：2013年3月4日（月）～2013年3月17日（日）
時間：13:00 - 19:00
会場：ギャラリー蒼穹舎