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桝本佳子:パノラマのうつわ
編集部ノート
執筆: 田中 みずき   
公開日: 2011年 12月 15日

《馬/壺》2011|165×95×102cm|陶|兵庫県立美術館 撮影:小笠原翔|Copyright© Keiko Masumoto|画像提供:INAXギャラリー

日常生活で触れている陶芸作品の魅力を存分に感じさせてくれるのが、今回の展示だ。展示されているお皿や花瓶等には、建築物等が付けられ、街をイメージした作品になっている。並べられているのは、白く四角い台上。よく見ると、展示台にはボタンがついている。押してみると、お皿にデザインされた船から煙が出たり、空と街並を模した花瓶に光が灯ったり。何が起きるかわくわくしながら眺める楽しさと、光によって陶芸作品の色の美しさに気付かされる驚きとがあり、新鮮だ。

こうした展示方法は、見世物を連想させる。仕掛けで人を楽しませる展示である。近代の頃、西洋から美術の概念や油彩画の技法を得て作品が作られ、展示が行われる際、日本では「見世物」として楽しまれてきた。その流れも感じさせる、作者の作品展示への問いかけの姿勢も興味深い。様々な世代の鑑賞者が楽しめるだろう。

最終更新 2015年 11月 04日
 

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