「KOSUGI+ANDO 遷移状態」展 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2011年 10月 20日 |
キュレーター:室井絵里(インディペンデントキュレーター) KOSUGI+ANDO(小杉美穂子&安藤泰彦)による、インスタレーションは これまでにも「記憶」「時間」「現実」「存在」 「不在」「絶え間なく移り ゆくリアル」—生きることのもつ様々な 揺らぎ—を緻密に構成された詩 的空間として創りだしてきた。 本年5月の神戸のアートスペース夢想館・「二番目の埋葬」展では、福島 の原発事故をモティーフにし、1995年に福井ビデオ ビエンナーレで原発 のことをとりあげてつくった「INNOCENT BABIES」の作品と時を越え て対峙する空間を創った。「福井から福島」へとつながる線は、はからずも1995年から2011年の現在にいたるまで、日常の気づかぬ場所に潜伏していた線でもある。 時に、アート作品は、そのような隠された線を露わにすることがある。 存在していたはずの、しかし,現実には「不在」のものたちの息づかい や記憶。倒錯したこれらのイメージは、いま福島で現実のものになってし まったのだ。 今回の作品で、KOSUGI+ANDOはどのようなイメージを創出するのだろうか。それは、もはや変えられない未来なのだろうか。それとも変え得る未来なのだろうか。 KOSUGI+ANDOは、1983年より京都を中心にコラボレー ションによるインスタレーション空間を発表。呼びかけ、響き合う言葉や、映像、また、 コンピュータなどを使い「記憶」「時間」「存在」「不在」「非在」「揺らぎ」 などを詩的に表現してきた。 福井ビデオビエンナーレ等美術館や大きな空間での発表も多く、また「BEACON」シリーズでは美学者吉岡洋や映像作家の伊藤高志、稲垣貴士らと共同で作品を創るなど意欲的に異分野の人たちとのコラボレーションにも取り組んでいる。 全文提供:特定非営利活動法人キャズ(CAS) 会期: 2011年10月8日(土)~10月29日(土) |
最終更新 2011年 10月 08日 |