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久恵真由美:出会いなおす。- 再構築の価値 -
編集部ノート
執筆: 田中 みずき   
公開日: 2011年 7月 21日

Copyright© Mayumi Kyue

乾いた洗剤のこびりついた束子、と思ってよく見ると、束子にかかっているのは糖衣である。また、指先に乗りそうな小さい直方体は、薄い布を縫って作られており、中に黒いビーズが詰まっている。それが幾つも重なりあう。繊細な触感と、柔らかな布地の間にできる隙間とがなんとも朧で美しい。見慣れた束子が違うもので覆われていることは観ただけではわからないだろうと思ったり、また、危うげな存在をしっかり触れて観たくなったり、指先で確かめたくなるような仕掛けが施された展覧会。帰宅してから、日常で観る風景が違ってくるかも知れない。

最終更新 2015年 11月 02日
 

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