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樋口明宏:見立て
編集部ノート
執筆: 田中 みずき   
公開日: 2011年 5月 21日

Copyright © Akihiro Higuchi
画像提供:MA2 Gallery

わかりきっているものも、組み合わせによって、違和感を生み出す。違和感は面白い。本展覧会で並ぶ作品は、パンツ型が切り抜かれた虎の皮の剥製であったり、標本にされた蛾の翼の模様かと思ってみたものが極彩色で描かれた名も無いレトロなキャラクターであったりする。一つ一つは見慣れたものも、「あたり前」の約束事が少しずらされただけで奇妙になる。意外な合わせ方に笑った後で、何が違っているのかと問い、自分の中にあった肯定観念が露になっていく。

宗教的、政治的なものがテーマかと思わせる作品もあるが、メッセージ性を重視しているのか組み合わせの妙を示すことに注目しているのかが不明な点は惜しい。しかし、鑑賞者が笑いながら考えてしまう体験は貴重だろう。

最終更新 2015年 10月 31日
 

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