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川上亜寿美 展
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 5月 17日

画像提供:Oギャラリーeyes|Copyright© Azumi Kawakami/O Gallery eyes

作家コメント
最近、合わせ鏡で自分の顔を見てびっくりしました。 あまりにもゆがんで見え、いつも見ている鏡の中の自分と大きく違う事に愕然としました。

そうか 人からこんな風に見えているのか、ショック・・と思う反面、ああ本当の自分はこちらなのかなと思ったり、自分が思っているよりも自分は実は全然違うのではないかと考えたりもしました。

思い起こせば幼い頃から、人にどう見られているのかがすごく気になってしまい、小さな事で思い切れず、損をすることもありました。 でも人ってそんなに他人を気にしていないようです。

いっそ笑いとばして、フィンガーチョコでもくっつけて歩くことができたらいいのかもしれません。

川上亜寿美
1984 大阪府生まれ
2008 京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻卒業

個展
2009 Oギャラリーeyes(大阪)
2010 Oギャラリーeyes(大阪)

グループ展
2007
シェル美術賞2007(代官山ヒルサイドフォーラム・東京/京都市美術館別館・京都)
その時は呼んでよ(space alternative gallery・京都)
トゥールビヨンⅥ(Oギャラリーeyes・大阪)
2009
s/s project.001(CPG/BAR超能力・京都)
スタンダード ジャパン エディション(Oギャラリーeyes・大阪)
2010
kind of the irony(Oギャラリーeyes・大阪)

参考文献
蔵屋美香「シェル美術賞展2007」カタログ(審査員概評)

※全文提供: Oギャラリーeyes


会期: 2011年5月16日(月)-2011年5月21日(土)
会場: Oギャラリーeyes

最終更新 2011年 5月 16日
 

編集部ノート    執筆:平田 剛志


画像提供:Oギャラリーeyes|Copyright© Azumi Kawakami/O Gallery eyes

青い顔をした宇宙人といえば、宇宙戦艦ヤマトを想起する人が多いかもしれないが、川上亜寿美がセル画に描く宇宙人らしき人物もまた青い顔をしている。それも、顔が青いだけではなく角かアンテナのようなものを頭に生やし、指で「スプリ」と明朝体で書いているのである。これだけでは何の意味だかわからないが、2点組の別の作品を見ると答えは判明する。青い顔をした宇宙人は1つに「エ」と書き、もう1つには「スプリ」と書いている。つなげて読むと「エスプリ」である。

だが、これが答えではない。実はスプリとはイタリア語で「suppli」と書き、意味はライスコロッケ(アランチーニ)のことなのである。意味を知ると愕然とするが、川上の作品はそのような「絵」と「スプリ(ライスボール)」でできていると仮定できる。つまり、分節化された言葉が別の言語で異なる意味を持つように、分解されたイメージが組み合わさり、異なる意味を作り出すのである。鑑賞者は人物像の顔にオセロの駒やフィンガーチョコを見つけ、スロットマシンの数字に異なるものを見る。昭和ポップなモチーフも楽しい「エスプリ」ある展覧会である。


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