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Chim↑Pom:REAL TIMES
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 5月 16日

画像提供:無人島プロダクション
Copyright© Chim↑Pom

「REAL TIMES」は、全体をとおして3月11日以降の「今→リアルタイム」、そして今という「リアル(な/の)時代」をテーマに した新作展です。

3月11日におきた東日本大震災からこれまで、Chim↑Pomは何度も福島第一原子力発電所や被災地に足を運びつづけています。そしてボランティア活動などを行い現地の状況を実際に肌で感じながら、撮影を行い、今回のプランをたちあげました。

本展でChim↑Pomは、福島第一原発など「3.11以降」をテーマにした新作映像を中心に発表します。 今回も彼らはこれまでどおり、現実社会に全力で介入した作品を制作してきました。 本展で彼らがやろうとしていること、それは東京で制作活動を行う彼らと被災地との距離を縮めようとすることではありません。「土地」にではなく「今」に生きることにこだわる彼らの表現は「今できることを妥協なくやりきること」という姿勢が大前提にあります。世の中がどんな状況になろうとも、未来をみすえて「今、行動を起こすこと」がChim↑Pomの制作と活動の姿勢です。 彼らのこの、結成以来、何が起ころうとも変わらぬ姿勢を是非、ではなく、絶対、ご覧いただきたく、また彼らが皆さまになげかけるものを全身でうけとめていただきたく存じます。

「過去が作ってきた今」に全身でぶつかり、今を体現しつづけることで、未来につなげようとする、Chim↑Pomの信念と作品に正面から向き合っていただいたとき、決して無力感ではなく、きっと、前を向き進む活力か、それ以上の「何か」を感じていただけると信じています。

また本展ではフラワーアーティストの柿崎順一氏とのコラボレーション作品も展示予定です。

※全文提供: 無人島プロダクション


会期: 2011年5月20日(金)-2011年5月25日(水)13:00 - 21:00 /(土・日)11:00 – 21:00
会場: 無人島プロダクション
入場料: 500円※来場者にはChim↑pom新作音声CDを提供

最終更新 2011年 5月 20日
 

編集部ノート    執筆:田中 みずき


画像提供:無人島プロダクション
Copyright© Chim↑Pom

    展覧会は、今回の東北地方での震災と福島第一原子力発電所をテーマとしている。
    中でも注目を集めるのが、ネット上のニュースや新聞報道等で話題になった、京王線の渋谷駅壁面に設置されている岡本太郎作の「明日の神話」への画面付けたしのパフォーマンスだろう。岡本太郎の「明日の神話」は、1960年代後半にメキシコのホテルに設置するために制作されたものだった。しかしホテルの経営上の問題で設置されることなく行方不明となり、2003年にメキシコ国内の倉庫で発見された後、2008年から渋谷駅に設置されている。描かれている絵は、第五福竜丸の水爆がテーマだ。Chim↑Pomは2011年5月1日午前0時過ぎ、無許可のまま、この絵の右下の部分に、岡本太郎の画風を継承して福島第一原子力発電所らしき建物と髑髏のようなものを描いたパネルを設置した。このパネルは同日23時頃に警察によって撤去されたが、誰による行為だったのか不明のままだった。Chim↑Pomは本展覧会に合わせて犯人が自分たちであると告白し、設置の様子を撮った映像と、付け足した絵画の複製を展示し「LEVEL7feat.『明日の神話』」として展示している。(動画投稿サイトYou Tube上にこの際の映像が含まれる動画が『「 REAL TIMES 」2011/5/20-25【6日間】』と題してUPされている。http://www.youtube.com/watch?v=OTqokIecNhs
    会場にはそのほかにも、実際に被災地に行き声援を上げ続けるものや、放射線防護服を着て福島第一原子力発電所が見える岬に赤い原発のマークを掲げる影像作品、また、無人となった農地のかかしに防護服を着せた写真や、避難できなかった民家の犬等を撮った写真等が展示されている。いつものChim↑Pomならあるはずの笑いの要素が薄れた内容から、未曾有の震災に直面している今現在が見えてくる。


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