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アンテ・ヴォジュノヴィック:L'angoisse de la page blanche / 空白への不安
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 4月 27日

《La page blanche 04》2011年
木材、EEFL|1400x900x400mm
画像提供:H.P.FRANCE WINDOW GALLERY
Copyright © ANTE VOJNOVIC

アンテ・ヴォジュノヴィックは光、水、風、石、さらには時間や「白」といった媒体や概念を彫刻表現の素材として操るアーティストです。既成概念にとらわれること無く素材を自由に遊ぶ彼の作品は、驚きと愉しみに満ちており常に新しい感覚を提供してくれます。

ヴォジュノヴィックはフランスで生まれ、思春期を北アフリカ、マグレブで過ごしました。その後海軍への従事を経て、1975年より制作活動を開始。ヨーロッパ、アメリカを中心に多くの個展を開催し、1997年の来日以来、日本を拠点に活動しています。

「真っ白な紙に入り交じる期待と不安」
シンプルな美しい曲面の隙間からほのかに漏れる光。まるで誰かがページをめくった一瞬を切り取ったかのようなその姿に、観るものは様々な物語を想像してしまうでしょう。 ヴォジュノヴィックは日常生活の隅々に存在する余白を鋭い洞察力をもって捉え、私達の意識をそっとすくい上げてくれるような作品をこれまで多数生みだしてきました 。 今回の展示では、そんな彼の代表作の一つをご紹介致します。ぜひこの機会にご高覧ください。

作家コメント
私は存在しないものを常に見つめている。創作は自らの生き方であると共に、別世界を築く手段となっている。
この世の中とは距離をおき、規準を拒絶し別世界を求める。
将来性や経歴の概念に縛られず、見た目の一貫性にこだわらず、ひたすら我が道を行く。先入観もなく、しがらみもなく、今の一瞬をとらえる。
度を越したもの、常軌を逸したもの、狂気に満ちたもの、が面白い。平凡はつまらない。
世間一般の関心事に対して遥かな隔たりを常に感じている私がこよなく愛するのは、原則に挑み、浮世の流れから逸脱し、風説に惑わされることなく時代を眺め、些細な出来事に心をゆだねて普遍に接すること。そのすべてに美が伴う。
自分が神秘主義者であることに気づく。
無を享受している。孤独を欲するのは、厭世主義につながる危険性を孕むが、果たして私はいかに孤独な人間が、良き同伴者に恵まれているかを悟った。
芸術家は中毒者の如く本質に常に飢えつづけ、活動の継続以外に満たされる術はない。

アンテ・ヴォジュノヴィック / ANTE VOJNOVIC
フランス大西洋岸にて生まれる。埼玉県在住。
http://www.ante-hp.com

2011 ”Blanc de Blanc (ブラン・ド・ブラン/白の中の白)”、hpgrp GALLERY東京(東京)
2010 スペースデザイン”居酒屋 東京十月” (東京)
インスタレーション”Lighting Chairs”、ルミネ新宿 (東京)
ウインドウアートワーク”TANGO VARIATIONS”、”二つの椅子の狭間で”H.P.FRANCE WINDOW GALLERY (東京)
2009 個展 “水の存在”、OGNI (名古屋)
インスタレーション “水の存在”、HPF Vintage (東京)
2008 個展 “TANGO VARIATIONS”、OGNI (名古屋)
インスタレーション “竹の森”、丸ビルマルキューブ
”竹に咲く花” 三菱地所アルティアム (福岡)
wtc more x ANTE VOJNOVIC Art Walk Exhibition, wtc more (香港)
2007 インスタレーション“裸と白。それが2007年のトレンド”、Destination Tokyo (東京)
“真直ぐな曲線”、代官山ヒルサイドフォーラム (東京)
個展 “竹に咲く花”、三菱地所アルティアム (福岡)
2006 個展、hpgrp GALLERY New York、(ニューヨーク)
2005 札幌JRタワーアートプロジェクト “ミス・ホリゾン・ファミリーバージョン” (札幌)
光の野外彫刻 “海底の小さな寺院”、IMS (福岡)
2003 札幌JRタワーアートプロジェクト “ミス・ホリゾン” “ラ・ヴァーグ” (札幌)
岐阜あかりオブジェ展 “NOUS” 審査員特別賞
2002 パブリックアート “3台の二輪車”、IMS (福岡)
インスタレーション “3つの食卓” Destination New York (ニューヨーク)
2001 “Thanks Mr.EDISON” ニューヨーク、東京、大阪
1997-99 複数の店舗空間デザインを行なう
1997 招聘によりアトリエを東京郊外へ
1995 “官能的な”~混合石盤を用いた家具-光学繊維、若しくは液晶を用いた光の貢献、Galleria el Nondo (バルセロナ)
1991 巡回展 “水を使った作品群”~混合石盤を用いた水と立体
1986 光によって切断された椅子とソファ、Espace Armani (ミラノ)
1985 “2つの椅子の狭間で”、Gallery Tina Crozier (ニューオリンズ)
1984 “静かに” ~低電圧による彫刻照明のシリーズ、Salon du meuble (ミラノ)
1983 インスタレーション “windows” (蛍光を使用した熱形成のテクニック)、Bits and pieces (チューリッヒ)
1982 インスタレーション “windows” (蛍光を使用した熱形成のテクニック)、Incape Barbican Center (ロンドン)
1981 “全てが光で”~我々の居住を取り巻く全てのオブジェは光資源でできている。 Galerie South Pacific(ベルリン)、Saks Fifth Avenue(ニューヨーク)
1980 “水の線”~水は光りによって象徴される(ネオン)、ポンビドゥー・センター (パリ)
1977 “私は時代の方向を変える”~光を発する彫刻の統合、日常のオブジェの方向転換の出口(光、金属、陶器)、Galerie de Nestle (パリ)
1976 “金属の木”(連打された金属)、Hotel Hilton (パリ)

※全文提供: H.P.FRANCE WINDOW GALLERY


会期: 2011年4月28日(木)-2011年5月19日(木)
会場: H.P.FRANCE WINDOW GALLERY
オープニングレセプション: 2011年4月28日(木)19:00 - 21:00

最終更新 2011年 4月 28日
 

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