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ソーシャルダイブ 探検する想像
編集部ノート
執筆: 田中 みずき   
公開日: 2011年 3月 27日

岩田草平《アパムナパット》
2010年 [参考図版]
画像提供:ARTS FIELD TOKYO

    穏やかな日常は、かけがえの無いものだ。この度の震災で、その思いは日本、あるいは世界中で痛いほどに強くなっている。
    その中で本展は、住処と居場所、そしてそこでの人との暮らしを鑑みる内容となっていて見過ごせない。インドに住み込み、少数部族向けの住居や浄水塔を制作している岩田草平による、手で産み出したインフラの温もりのある確かさに、忘れてはいけない生活に真摯に向きあっていく姿が見える。また、街の中に居間を作ってしまう北澤潤の活動から見える、場と人との関わりも鮮烈だ。アフリカ大陸でポテトを見せて会話をしていく小鷹拓郎の映像作品では、時に相手の明るい反応に微笑んでしまったり、予期せぬ反応にびっくりしたりしつつ、異文化の人と共通の話題で話をしていく時間に引き込まれる。
    生きていく中で、私たちがこれから暮していく場をも再考させてくれる展覧会だ。

最終更新 2011年 3月 27日
 

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