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渋谷区立松濤美術館
ギャラリー
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 3月 09日

Copyright© Shibuya City Shoto Museum, Tokyo

     1981年10月、東京都渋谷区松濤に開館。絵画、彫刻、工芸、写真、デザインなど分野、時代を問わずユニークな企画展を年間5回程度開催するほか、渋谷区在住作家展などの小企画展、所蔵品展、松濤美術館公募展および渋谷区小中学生絵画展を毎年開催するなど、地域に密着した展覧会も開催している。
     また、展覧会に合わせてギャラリートーク、講演会、ミニコンサートなどを開催したり、美術に関連した映画・ビデオを上映する美術映画会、経験豊かな美術家を招き、洋画、日本画、版画などの実技指導、美術一般の相談に応じる美術相談、油彩画、水彩画、日本画、パステル、版画などの実技指導を行う美術教室など芸術への造詣を深める教育普及活動も展開している。
     建物の設計は白井晟一研究所によるもの。外壁に紅味を帯びた韓国産の花崗岩(紅雲石)を使用し、堅牢でありながら温もりのある佇まいを見せる。館内に入ると正面入口の重厚さとは異なり、中央の外部吹き抜け空間に設けられた噴水が自然光と共に空間に柔らかさを付与している。展示室は、地下1階の第1展示室(主陳列室)、2階の第2展示室(サロンミューゼ)と特別陳列室(第2展示室奥)を有する。これら展示室は、噴水の吹き抜け空間に対し半円形に配置され、多くの美術館が採用するホワイトキューブの展示室とは異なるユニークな展示空間となっている。
     第2展示室にはソファやテーブルが設置され、作品の観賞を楽しめるだけでなく、ゆったりとくつろげる空間が特色である(かつて2階展示室には喫茶室「サロン・ミューゼ」があり、ソファに座って展示を眺めながら軽食をとることもできたが2010年3月に閉店となった)。展覧会を見終わり外に出たときに実感するのは、現実と切り離された異なる時間を経験したような静けさと寛ぎの感覚である。
     白井晟一は「美術館は展示場第一だが、ここは区民が集まって歓談しながら美術を鑑賞したり、勉強しあう静かな場所をつくるのがねらいだった。」(『白井晟一研究Ⅲ』)と述べるように、美術作品と鑑賞者が気軽に交感できる美術館である。


所在地: 東京都渋谷区松濤2-14-14
電話: 0586-63-2892
開館: 10:00 - 18:00(金曜のみ~19時まで)入館は閉館30分前まで
休館: 月曜(祝休日除く)、祝日の翌日(土・日曜日を除く)、年末年始
ウェブサイト: http://shoto-museum.jp

最終更新 2011年 3月 11日
 

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