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梶岡俊幸:深夜行
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2011年 1月 19日

《流跡(右)》2010年
1303x1939mm(全体1303x5817mm)|高知麻紙、墨、鉛筆
画像提供:g3/ gallery|Copyright © Toshiyuki Kajioka

京都造形芸術大学大学院博士課程卒業後、京都で制作を続ける梶岡俊幸の個展。

同大学院在学中より梶岡は、日本画の技法を用いて川をモチーフとした絵画を描き続けています。墨と鉛筆で深く、何層にも描かれた「黒」は、梶岡が川を見つめる中で体得した自然の流れ、よどみ、うねりを現しています。一見静寂な漆黒の絵画は、その一つ一つに自然のさまざまな表情を見せ、自然に対する安らぎや穏やかさ、恐怖、そして畏敬の念を見る者に喚起させます。梶岡は自然に対するアミニズムの精神を描き出すことで、日本画という伝統的な技法の新たな潜在性を導く、日本の現代美術において注目される若手作家の1人です。ぜひご高覧下さい。

※全文提供:  g3/ gallery


会期: 2011年1月21日(金)-2011年2月27日(日)
会場: g3/ gallery
オープニング・レセプション: 2011年1月21日(金)18:00 -

最終更新 2011年 1月 21日
 

編集部ノート    執筆:田中みずき


《流跡(右)》2010年
1303x1939mm(部分)
高知麻紙、墨、鉛筆
画像提供:g3/ gallery
Copyright © Toshiyuki Kajioka

    真っ黒な画面にかすかに見える黒い流線の作品群。黒でありながらも光を反射し、浮き出てくる線が美しい。見上げるような大画面に、濁流のような線が連なる様が圧巻だ。川や沼の流れなど幾度も見てきた身近なものが、得体の知れないものに見えてくる。絵画という平面の表現を使って、「流れ」の極薄い表皮を取ってきたようだが、表皮しか見えない怖さと、表皮が隅々まで細やかに目に入ってしまう怖さとが心地よく襲ってくる展覧会。


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