当画廊では2004年以来、7年ぶりとなる豊富春菜の個展を開催いたします。豊富は主に日常的な風景や事象をとらえた映像を、大胆なトリミングや油彩による加筆等によって減算、加算する事で映像の意味性を排除し、質感や色彩を抽出するかのような独自の作品世界を創出してきました。
制作の拠点を関西から岐阜に移して以降、初となる今回の個展では、これまでの映像をベースとした手法はそのままに、新たな素材として樹脂を用い、制御したドリッピングによる物質感あるラージスケールの平面作品に挑みます。
視覚的要素だけを抽出し、流動的な素材で滑らかに浮かび上がらせた作品からは、その仕上がりの美しさもさることながら、描くということ、ひいては見る行為自体の多様性も感じとることが出来るのではないでしょうか。
1枚の印画紙は未だ光にさらされていなくても、既に光に満たされているようだ。その白は眩いばかりの雪の白にも、窓際で輝くシーツの白にも、ふんわりと透明な花びらの白にもなるだろう。その準備ができている、一枚の紙。 目の前にある水たまりは、今は辛うじてそこに形を留めているけれど、やがて形を変えて違う在り方をするのだと感じる。 それは変わっていくだろう予感や期待と同時に、触れてしまえばどうしようもなくあっけらかんと、そこにあるだけの物。 白いアクリルの板に樹脂のしずくを落し、写真をトレースしています。そのしずくは集まり、水たまりになり、色面になります。表面には移ろいやすい表情を湛たえ、ようやくそこに留まっているようです。 -豊富春菜
豊富 春菜|Haruna Toyotomi 1973 富山県出身 1996 嵯峨美術短期大学版画コース卒業 1998 嵯峨美術短期大学専攻科修了
個展 1999 ギャラリーココ, 京都 2001 ノマルエディション, 大阪 2002 Oギャラリーeyes, 大阪 2004 印象の姿見, ノマルエディション/プロジェクト・スペース CUBE & LOFT, 大阪 2004 元麻布ギャラリー, 富山
グループ展 1996 あいだにある、, CityギャラリーI・M, 大阪 1998 PRINTS 10, CityギャラリーI・M, 大阪 1998 新世代の版画家たち‘98, ギャラリーココ, 京都 1998 神戸アートアニュアル映像考/…, 神戸アートビレッジセンター, 兵庫 2002 THE RECIPROCITY, ギャラリーココ, 京都 2002 base/view, Oギャラリー, 東京 2003 IRRADIATION, SUMISO, 大阪 2004 美術工芸新鋭選抜展 2004新しい波, 京都文化博物館 2004 ispaJAPAN京都会議版画の力, 京都文化博物館 2004 版の思考・版の手法, 愛知芸術文化センターギャラリー 2005 関西現代版画の開拓者と新世代たちin倉敷,加計美術館, 岡山 2005 photographic, 海岸通ギャラリー・CASO, 大阪 2006 VOCA展2006, 上野の森美術館, 東京 2007 富山現代作家シリーズ時の中で-Toyama Art Today 2007, 富山県立近代美術館 2009 Reborn, ギャラリーノマル, 大阪
■会期中開催イベント .es(ドットエス)ライブ “Spring Field” 2011年2月26日(土) 19時30分開演¥1500(with 1 drink) ※要予約(
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※全文提供: ギャラリーノマル
会期: 2011年2月5日(土)-2011年3月5日(土) 会場: ギャラリーノマル オープニングレセプション: 2011年2月5日(土)13:00 - 19:00
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