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メディアとアート 明晰な幻:from Machine Art to Media Art
編集部ノート
執筆: 田中 麻帆   
公開日: 2010年 12月 20日

plaplax(近森基++久納鏡子)《Kage’s Nest》2001年

plaplax(プラプラックス)《Kage’s Nest》は2001年以来、国内外の美術館で展示されており、今回の川崎市市民ミュージアムでの展示ですでに5回目の展示となる。本展においては、展示空間の周囲の壁のゆるやかなカーブと光の円の形が呼応し、密度がありつつ開放的な、暗がりの中を歩き回って体感する本作にふさわしい展示となっていた。

また、本展では「メディアとアート 明晰な幻:from Machine Art to Media Art」というテーマのもと、機械製品を芸術作品として提示したMoMA(ニューヨーク近代美術館)の「マシーン・アート」展(1934年)展示風景、機械美に魅せられたマルセル・デュシャンらの映像作品、現代の監視システムに警鐘を鳴らすルイス・ボルツの《夜警》(1992年)等も展示されている。

前衛美術が重工業の発達やその機能美に触発され、機械それ自体に芸術的価値を見出しはじめた20世紀初頭の出発点。その後1950年代以降、機械が「モノ」から情報テクノロジーといった形ないものへとシフトしてゆき、人間の可能性を拡張させると同時にそのネットワークの一部に取り込みもするようになるさま。更に、目に見えない「機械」と人間との相互的な関わりが日常化した今日の《Kage’s Nest》まで。重工業製品からメディア・テクノロジーへと至る「機械」と芸術をとりまくひとつの文脈を理解するうえでも意味深いラインナップだった。

最終更新 2015年 11月 04日
 

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