大西宏志、近藤高弘、スティーブン・ギルによる三人展。
本展は2009年に開催されたシンポジウム「もの学、感覚、価値研究会」をきっかけに企画がスタートしました。京都大学こころの未来研究センター教授、鎌田東二が代表を務める同研究会は、日本の風土によって育まれた「もの」の感覚価値を、あらゆる角度から検証し考察することを目的としています。本展に参加する大西と近藤は幹事を務め、またスティーブン・ギルはメンバーの一人です。
東京画廊+BTAPディレクターの山本豊津は、京都で行われた第一回アート分科会に参加し、「モノ派とモノ感覚価値」と題した講演を行いました。アート分科会はその後も継続して行われ、今年の1月には京都大学総合博物館で実験展『物からモノへ』、また11月にはその続編として、社団法人京都家庭女学院虚白院で『物気色-物からモノへ』展が企画されました。アート分科会から生まれた物気色のコンセプトは、二つの実験展を貫く心棒となっています。 ポスト近代において、新しい表現を探るこのコンセプトは、アーティストたちに勇気を与えるものでした。情報が氾濫し、国、社会、個人の輪郭を確定することが難しい現在、プレ近代、近代そしてポスト近代が、三人のアーティストを通して表れることを期待して、第三回目の「モノケイロケモノ」展をこの度企画いたします。
大西宏志 1965年生まれ。京都造形芸術大学情報デザイン学科准教授。映像プロダクション、CGプロダクションのディレクターを経て2002年より現職。ASIFA-JAPAN(国際アニメーションフィルム協会日本支部)会員、モノ学・感覚価値研究会メンバー。2008年、近藤高弘とともにモノ学・感覚価値研究会アート分科会を発足させる。 ■個展■ 2001年 京都芸術センター 2002年 「芸術と医学展」(ICC) 2003年 立体ギャラリー射手座 2010年 「物からモノへ展」(京都大学総合博物館)
近藤高弘 1958年 京都市生まれ。 1982年 法政大学文学部卒業、 1994年 京都市芸術新人賞受賞。 2002年 文化庁派遣芸術家在外研究員、 2003年 エジンバラ・カレッジ・オブ・アート修士課程修了、Inglis Allen Masters 賞受賞。 ■個展■ 1990年 サンパウロ美術館(ブラジル・サンパウロ) 1995年 スコットランド国立博物館(英国・エジンバラ) 1999年 イムラ・アートギャラリー(京都 ’97, ’99) 2003年 パラミタミュージアム・開館記念(三重) 2006年 ギャラリー・セラー(名古屋) 2007年 「変容の刻」パラミタミュージアム(三重) 「TRANS-FORM」スパイラルガーデン(東京) 2008年 スコティッシュ・ギャラリー(英国・エジンバラ ’00, ’04 ) ハミルトン・アート・ギャラリー(オーストラリア・ハミルトン) 2010年 伊丹市工芸センター(伊丹) バリー・フリードマン・ギャラリー(米国・ニューヨーク’02 ’05 ’08 )
スティーブン・ギル Stephen Gill (俳名:ティートー Tito) ロンドン大学日本語・日本文学専攻を卒業、Sir John Cass School of Art, London で宝石学を専攻。立命館大学・京都大学などで非常勤講師として勤めながら、生け石展を開き、アーティスト、詩人として活動を続けている。アート・フォーム「生け石」の創始者。1994年東京俳句文学館賞受賞。現・英国俳句協会運営委員。 1989年ラジオ番組Insect Musicians (虫の音楽家) でSONY賞受賞。1994年 東京俳句文学館賞受賞。 ■主な著書■ 「石のたんじょうび」(Stone Birthdays) 副音館;編Hailstones(「霞」)、Lost Heian (「失われた平安」)、Enhaiklopedia (「エンハイクロペディア」)、Seasons of the Gods (「神神の四季」)、One Hundred Poets on Mt. Ogura, One Open Each (「小倉山百人一句一首」)、Hailstone Haiku Circle; 共編 Rediscovering Basho (「芭蕉再発見」) Global Oriental, UK
※全文提供: 東京画廊+BTAP|東京
会期: 2011年1月15日(土)-2011年2月12日(土) 会場: 東京画廊+BTAP|東京 花生け式 /詩の朗読(スティーブン・ギル): 2011年1月15日(土)17:00 - 18:00 オープニング・レセプション: 2011年1月15日(土)18:00 - 20:00東京画廊+BTAPにて
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