王舒野:時空裸視 実験2010 |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2010年 11月 15日 |
東京画廊+BTAPでは初めての個展となる本展では、120号から10号の作品を織り交ぜた新作の油彩画、計17点を発表。 王舒野は1963年中国黒龍江省生まれ。1989年に北京の中央工芸美術学院(現・清華大学美術学院)を卒業し、同年に制作した卒業作品で中国政府経済産業省の「金龍騰飛賞」最高賞を受賞しました。その 後、1990年に来日するも、2001年の個展開催に至るまでの10年間作品発表を行わず、芸術の精神的探求に日々没頭します。2001年の鎌倉での個展開催を皮切りに、主に東京と鎌倉で作品を発表し、2009 年には池田20世紀美術館で回顧展『肯定の目光に・王舒野の世界展』を行います。現在も鎌倉を拠点に、強靭な探求心に導かれた作品制作を続けています。 無数の筆触がキャンバスを覆う王の作品は、ストロークの集積によって深遠で静謐な景観を現出させます。その視覚空間は認識の対象として捉えられる以前の世界そのものであり、大画面を前にした鑑賞者は、現在の時の拘束を離れ、流転する時空世界を発見するのです。主に墨や鉛筆を用いていた王は、2007年に素材を油彩へと移行させ、自身の創造世界に新たな展望を示しました。作家の視覚は輪郭線に従うことを止め、まさに物質と触れるような距離にまで接近しています。 視覚形式が多様化する現代において、王は現象学的還元の思想と東洋の無分別の智慧に学び、認識的・意味的な世界観から脱出することを試みます。時折大画面で展開される王の作品は、視覚イメージを対象化することを不可能にし、現前する平面世界を詩性・精神性を帯びた超越的な視覚空間にまで昇華させるのです。芸術世界の新たな可能性を示す、王の「時空裸視」を是非この機会にご体感ください。 王舒野(ワン・シュウイエ) 個展 自筆文献 ※全文提供: 東京画廊+BTAP|東京 会期: 2010年11月4日(木)-2010年11月24日(土) |
最終更新 2010年 11月 04日 |