末むつみ:おいしいピース |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2010年 11月 09日 |
fabre8710と所属作家の末むつみとは、彼女がまだ愛知県立芸術大学の学生だった頃からの付き合いで、大学院生になった2005年秋にグループ展によってデビュー、その後ともに仕事をしています。 2006年のfabre8710での初個展以降、毎年弊廊で個展を開催しています。5回目となる今回の展示では、これまでの作品にいくつかみられる独自の特長がオーバーラップするかのように、重なり合うかのように作品のなかにあらわれています。 このようなことは、ある期間ごとに、じょじょにスライドしながら進化する末むつみの作品の、ひとつの傾向といえます。ある時、新しい作品のなかに以前のシリーズの一部があらわれ、同居するようなことがおこります。それは、作家の実験的精神と彼女のなかにひそむ原始的な感覚、原初体験のようなものがまざり合った結果、生まれてくるものなのかもしれません。 「おいしいピース」と題された今回の新作展。ピースは、英語で"piece"。片とか一切れ、ジグソーパズルのピースの意味です。カタカナにすると平和のピース、また写真撮影のピース!にもなったり。末むつみは「ちょっと楽しい感じがしてよいかなと思いました。」とタイトルについて言っています。 さらに、「食事の時おいしそうだなあ、おいしいなあと思う感覚。なんとなく心が生き生きと揺れる感じ。ほこほこと嬉しい感じ。爽快な気持ち。そして、まずい苦い感覚も。そんな"piece"を選んできて、それらを組み合わせて表現していったり、またその"piece"自体を新たにつくっていくような感じ。」と作品や展示のイメージについても語っています。 トレーシングペーパーや、オイルペーパーなどの特殊紙に、ボールペンなどで描くことの多い末むつみですが、近年は油彩の点数も増えてきました。しかし、今回は、キャンバスに油彩だけではなく、紙にボールペンや修正ペンなどで描いた作品が多く制作され、展示される予定です。 キャンバス作品と紙に描いた作品を中心に、オール新作でのぞむ意欲あふれる新作展「おいしいピース」。2006年の初個展「サムシング ライク ミー」を彷彿させるかのように、通常のギャラリースペースとはまた別の場所にも作品を波及させ、設置。インスタレーション作品としての側面も提示します。 ※この展覧会は、TEZUKAYAMA GALLERY、TENGENSYA、fabre8710、Gallery Fukuda、YOD Galleryの、5つのギャラリーによる「複合体」として行われる企画展「OSAKA ART COMPLEX 2010」に参加しています。 末むつみ Mutsumi Sue 個展 主なグループ展 参考文献 所蔵 ※全文提供: fabre8710 会期: 2010年11月26日(金)-2010年12月25日(土)12:00 - 19:00|日・月・祝休廊 |
最終更新 2010年 11月 26日 |