MAMプロジェクト013:カテジナ・シェダー |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2010年 10月 04日 |
チェコ共和国出身のカテジナ・シェダー(1977年生まれ)は、生活の中の小さな問題点や当たり前だと思われていることに着想を得て、ユニークなゲームを提案し、自分の家族や小さな村の人々に実行してもらうプロジェクトを行ってきました。これらのプロジェクトをインスタレーションやドローイング、ビデオなどさまざまなメディアを使って発表しています。近 年国際展に多数参加し、来年は、テート・モダン(ロンドン)主催のプロジェクトを行うなど、欧米で急速に注目を集めるシェダーですが、本展は彼女の作品を日本で初めて紹介する個展となります。 初期の代表作《そこには何もない》(2003年)では、彼女の出身地に近いモラヴィア地方にある村の住人の多くが、土曜日の同じ時間に同じようなことをしていることを知り、それをもとに土曜日の典型的な行動予定表を作って、ある土曜日、村人全員に実行してもらうように呼び掛けました。第5回ベルリン・ビエンナーレを契機に行われた《何度も何度も》(2008-09年)では、近年、彼女の住む村の家の塀が高くなり人々のコュニケーションが希薄になったことに着目し、ベルリンの空き地に彼らの家の塀のレプリカを円状に並べ、ハシゴなどと共に彼らをそこに呼び寄せ、塀の上で再会させました。 それらのプロジェクトは、ユーモアに溢れ、時に人々の交流を促す媒介となり、また時にコミュニティーの問題の解決策ともなります。私たちは、その背後に資本主義化やEU 加盟により変化するチェコ社会の実状と人々が営む個々の日常生活の両面を垣間見ることができるでしょう。 ※全文提供: 森美術館 会期: 2010年11月27日(土)-2011年2月27日(日) |
最終更新 2010年 11月 27日 |