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田中幹:コンテンポラリー
編集部ノート
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 9月 22日

0は何もないこと、無を表す基数だが、その抽象的な数字が田中のキャンバスを覆い尽くす。ギャラリー空間を分断するように展示されたキャンバス作品には0が密集するようにスタンプされ、工芸的な仕上げと透明な光沢感を有する円形の「elements」シリーズには幾層にも塗り重ねられた樹脂層のあいだから0が浮遊するように表面を覆い、装飾的なイメージを作り出している。

グラウンド・ゼロという言葉は英語で「爆心地」を意味する。そう、ゼロには不在の存在を指し示す記号としての意味がある。だとすれば、田中のグラウンド・ゼロの絵画はどんな空間を表しているのか。それは、0に立ち会った者にしかわからないだろう。

最終更新 2015年 10月 31日
 

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