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本の展覧会:『瀧口修造1958-旅する眼差し』を中心に
編集部ノート
執筆: 平田 剛志   
公開日: 2010年 3月 24日

美術評論家・詩人の瀧口修造による旅の写真、書簡、絵葉書、手帖をまとめた特製ボックス『瀧口修造1958-旅する眼差し』(慶應義塾大学アートセンター編、慶應義塾大学出版会、2009年)を展示・販売する展覧会。

本の展覧会ではあるが、本展で見るべきは夫人である瀧口綾子宛の絵葉書・書簡だろう。かつて手製のリバティパスポートを作ったこともある瀧口だけに、ポストカードの選び方に瀧口らしいセンスが伺える。旅先から頻繁に届けられた絵葉書を辿るだけで瀧口の「旅する眼差し」を追体験することができるのである。本展を旅の途上で見る者は、ぜひ誰かに絵葉書を送ってほしい。あなたの「旅する眼差し」として。

なお、現代美術の「本の展覧会」として、ギャラリーほそかわ(難波)で開催中の<かなもりゆうこ展 物語-トショモノ>(~3/27)を続けて見れば、瀧口修造のドキュメンテーションとは異なる本(物語)への入り口があなたを待っているはずだ。

最終更新 2015年 11月 03日
 

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