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No Man’s Land:創造と破壊
編集部ノート
執筆: 平田 剛志   
公開日: 2009年 12月 25日

まず、フランス大使館の場所は青木坂を登った先ではないので、ご注意を。 「フランスに行きたしと思へども、フランスはあまりに遠し」と書きつけたのは詩人・萩原朔太郎だが、国内のフランス大使館へは(東京であれば)そう遠くないので「せめて新しき背広を着て、きままなる旅に出でみん」。 本企画の魅力は、やはり「場所」である。これまで入ることができなかった築50年以上のモダン建築を歩いているだけで、館内の随所にフランス的な雰囲気が感じられ、異国にいるような雰囲気を感じる。館内はいささか創造と破壊の混沌とした様相を呈しているが、廃墟前の建物を探索するような心持で廻られたい。 また、別館で12月27日まで開催されている東京藝術大学系<MEMENTO VIVERE / MEMENTO PHANTASMA>は期待以上に充実した展示を見ることができた。2階の201号室・趙純恵(チョウ・スネ)の映像インスタレーション、3階の301号室・古川あいかの絵画、307号室・野口蓉子のインスタレーション、308号室・田村友一郎の映像作品は鮮烈に記憶に止められた。

最終更新 2010年 12月 26日
 

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