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小野さおり:sharer
編集部ノート
執筆: 平田 剛志   
公開日: 2009年 12月 15日

ぼんやりとした画面に小さく描かれる月《シンボル》(2009)。鏡に写るドアから洩れる光《ムコウガワへ》(2009)。手でウサギを形作る様を描く《カゲアソビ》(2009)。 それらはどれも「反射」や「反映」を描いている。つまり、描かれたもの自体は、画面外にある(月の場合は太陽光が月に反射して白銀色に見える)。 そもそも現実の光景やものを2次元の絵画空間に描写することは、ものの「反映」であり「影」なのかもしれない。だとすれば、小野の絵画は「影」を描くことで、画面外に実在する「光」を描くことなのかもしれない。いや、その光源は絵画そのものなのかもしれない。私は「影」を追って、なかなか捕まえられないままである。

最終更新 2010年 6月 27日
 

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