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鈴木まさこ:ZOO-M
編集部ノート
執筆: 平田 剛志   
公開日: 2009年 11月 15日

細密表現による絵画はテクニックのわかりやすさ、その具象性ゆえに注目度が高いようで、冨谷悦子、増子博子など続々と現れている。鈴木の作品もまたそういった文脈で語られるのかもしれない。だが、どこか鈴木の絵画には細密表現特有の技巧性やミクロな世界観の開示とは異なる気配がある。細かな円や線が集積して描かれる動物たちは、どこか飄々として見えるし、密度ある画面を見ることに息が詰まる手前で「余白」が目の緊張を逃がしてくれるからかもしれない。そして、今展の作品からは色彩が加えられたことで、柔らかさが付与され、鈴木の作品をただの細密な作品とは少し異なる印象を与えるのだ。

最終更新 2010年 6月 27日
 

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