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ある風景の中に
編集部ノート
執筆: 平田 剛志   
公開日: 2009年 10月 04日

聞き慣れた音や身近な既製品を用いて作品を制作するアーティストたちの作品から、私たちの身の回りの風景を見つめ直す音響風景論とも言うべき展覧会。思わぬ場所に展示されている作品もあるので聞き耳をたてるように、注意深く会場を巡ってほしい。 本展の白眉は梅田哲也の≪○(しろたま)≫に尽きるだろう。この複雑精妙予測不能なルーブ・ゴールドバーグ・マシン(NHK「ピタゴラスイッチ」やペーター・フィシュリ&ダヴィッド・ヴァイスの『事の次第』(1987)を想起せよ)の作り出すサウンドミックスは、私たちに見たことも聞いたこともない音響的空間を与えてくれるだろう。また、この空間に入った鑑賞者たちが皆一様に笑顔になるのも、いい「風景」だったことを付け加えておきたい。 なお、会場の京都芸術センターは入場無料なので「試聴」はもちろん無料である。

最終更新 2010年 5月 31日
 

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