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北本裕二:陶 地層・探検
編集部ノート
執筆: 小金沢 智   
公開日: 2009年 9月 12日

ガレリアセラミカは元々それほど広いスペースではない。しかし今回北本の作品によって内部がさらに狭められている。陶土による壁が会場に作られているのだ。それはあたかも洞窟の中の自然が作り出した通路のようであり、奥には祭壇のようなものまであり荘厳としている。ただし私たち観客はそれを見ることしかできない。プレスリリースには「来場者は陶土の壁の間を通って鑑賞します」とあるのだが、実際その中に入ることは禁じられていた。何らかの事情があったのだろうが、残念なことである。会場で配布していた資料によれば、北本が最初に発表した作品≪地球の歩み方scene1≫(2003年)は陶板を観客に踏ませるものだったという。作品と観客との積極的な接触が、今回も可能であったら面白かったのだが。

最終更新 2010年 6月 27日
 

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