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へうげて、暮らすか:CLASKA × へうげもの
編集部ノート
執筆: 小金沢 智   
公開日: 2009年 8月 14日

『モーニング』(講談社)で連載中の山田芳裕『へうげもの』(2005年〜)。茶人として知られる戦国武将の古田織部を主人公に、当時の文化、美意識が描かれているマンガだが、その単行本発売を記念にした展覧会が目黒のデザイナーズホテル、CLASKAで開かれている。 マンガの展覧会というと原画あるいはコピーが展示され、それらの間に各作品及び作家解説、時代背景などが組み込まれているのを想起するが、この展覧会は若手陶芸家15人の器やオブジェを中心に展示しているという点で一線を画す。それは上記のようなマンガの展覧会とも、あるいは漫画家の井上雄彦が美術館で展覧会をするのとも(「最後のマンガ展」上野の森美術館、2008年)、「あなたのドラえもんをつくってください」と藤子・F・不二雄『ドラえもん』にインスパイアされた現代美術家の作品を展示するのとも違う(「THE ドラえもん展」、そごう美術館、2003年)。すなわち「へうげて、暮らすか」は、マンガにも、そのキャラクターにも依存していないのだ。単行本発売記念のイベントではあるが、このような既存の現代美術の枠からは生まれない越境的な展覧会は評価されるべきであり、今後の展開も多いに期待される。

最終更新 2010年 6月 27日
 

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