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今井裕基:ろま
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 3月 24日

《金のその》(部分) 2010年|130.3×162.1㎝(F-100号)|oil on canvas |画像提供:artdish g copy right(c) Yuuki IMAI

《金のその》(部分) 2010年|130.3×162.1㎝(F-100号)|oil on canvas |画像提供:artdish g copy right(c) Yuuki IMAI

ロマ(roma):ジプシーと呼ばれてきた集団の、主に中東欧に居住する北インドのロマニ系に由来する移動型民族のこと。
ロマンス (romance) :本来の「ローマ的」という意味の他、中世ヨーロッパでは正式な古典文化を意味する「ラテン」に対し「民衆のもの」という意味合いから、空想的で大衆向けの小説や恋愛、甘美な楽曲というような意味が派生した。

漠然とした目的地に向かって旅を始める。
真新しい景色のなかにも故郷を見たようななつかしさが込上げ、しばし立ち返る。
何かを目指して向かっているようで、旅そのものが目的ともとれるような、移動の民”roma” に自身を重ね、今井独特の鮮やかな色彩が互いを溶けだしながら支え合うように織りなす煙のような炎のような渦巻きながら形成される情景の中に、民族や時間軸、空想と現実をおおらかにのみ込み、絵を描くときめきを放ちながら旅の途中の風景画として現されます。

本展では3号から100号までのキャンバス16点をお届けいたします。

今 井 裕 基 yuuki Imai
1984 愛知県出身
2005 GEISAI#8にて小山登美夫スカウト賞 受賞
2006 GEISAI#9出展、個展「宮島巡り」ぎゃらりぃ宮郷(宮島)、GEISAI#10にて成山画廊スカウト賞 受賞
2007 個展「雑念と真念」フタバ画廊(東京)
2008 多摩美術大学 美術学部絵画科油画専攻 卒業、個展「ごうがしゃ」artdish g、グループ展「ミマタ」愛知芸術文化センター・アートスペースX(名古屋)
2009 個展「空風火水地」artdish g

今井裕基「墓ッ箆新聞~boppera shinbunn~」

<http://blog.artdish.co.jp/imai/>

※全文提供: artdish g

最終更新 2010年 3月 23日
 

編集部ノート    執筆:平田剛志


色彩の情動。そのエモーショナルな色彩の充溢に迸る熱気を感じたのは気のせいだろうか。焚き火から放たれる炎、熱、煙、音が人を引き寄せるように今井の絵画はゆらゆらと燃えているかのようだ。
しかし、火を焚くことに技術がいるように、情熱や魂だけで成り立つような絵画や芸術はない。本展を見ると、今井は色彩という名の「火力」を手に入れたようだ。画面を埋め尽くすように描かれた色彩や線のマッスが揺らぎを作りだし、まだ見ぬ「風景」が立ち現われてくる。それを「ロマンス」と言うのは言い過ぎだろうか。


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