| EN |

本の展覧会:『瀧口修造1958-旅する眼差し』を中心に
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 3月 15日

画像提供:Port Gallery T

「旅する眼差し」の言葉が気持ちよくひびく季節・3月。同名の展覧会を開催いたします。昨年、慶應義塾大学出版会より発行された特製ボックス『瀧口修造1958—旅する眼差し』には、写真集だけでなく、瀧口綾子宛書簡(翻刻)、絵葉書、旅の手帖(パリ〜バルセロナ間で瀧口が使用したメモ帳)等の興味深い資料がセットになっています。その内容をご覧いただけるよう展覧会という形でご紹介・特別販売いたします。一人の作家の「旅」を、ビジュアルから多角的にとらえていただければと思います。

その他に、ギャラリー取扱書籍、「旅」に連なるオリジナルプリントも併せて展覧します。ご来廊をお待ちしております。

(書籍案内パンフレットより)
1958年5月、瀧口修造(1903-1979)はヴェネツィア・ビエンナーレ代表としてヨーロッパに旅立つ。(中略)旅行中、瀧口みずからシャッターを切り、多くの写真を残していたことはあまり知られていない。本写真集は慶應義塾大学アート・センター所蔵の資料をもとに、瀧口修造の「旅する眼差し」を再現すべく、没後30年を記念して編まれた。(後略)

※全文提供: Port Gallery T

最終更新 2010年 3月 15日
 

編集部ノート    執筆:平田剛志


美術評論家・詩人の瀧口修造による旅の写真、書簡、絵葉書、手帖をまとめた特製ボックス『瀧口修造1958-旅する眼差し』(慶應義塾大学アートセンター編、慶應義塾大学出版会、2009年)を展示・販売する展覧会。

本の展覧会ではあるが、本展で見るべきは夫人である瀧口綾子宛の絵葉書・書簡だろう。かつて手製のリバティパスポートを作ったこともある瀧口だけに、ポストカードの選び方に瀧口らしいセンスが伺える。旅先から頻繁に届けられた絵葉書を辿るだけで瀧口の「旅する眼差し」を追体験することができるのである。本展を旅の途上で見る者は、ぜひ誰かに絵葉書を送ってほしい。あなたの「旅する眼差し」として。

なお、現代美術の「本の展覧会」として、ギャラリーほそかわ(難波)で開催中の<かなもりゆうこ展 物語-トショモノ>(~3/27)を続けて見れば、瀧口修造のドキュメンテーションとは異なる本(物語)への入り口があなたを待っているはずだ。


関連情報


| EN |