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Transformation
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 2月 13日

パク・ジャヒョン《Unstable》2009年 pen on paper (Pointillism)|160×126 cm 画像提供:Gallery Jin Projects copy right(c) Park Ja Hyun

岩竹理恵は1982年南アフリカ共和国に生まれ、2006年金沢美術工芸大学美術工芸学部工芸科染織専攻を卒業。現在、筑波大学大学院芸術専攻に在籍しております。2009年にはトーキョーワンダーウォール 2009に選出されました。その作品は、モチーフコラージュ、ペインティング、立体などさまざまな手法を駆使したもので、描く対象を作品に取り込むときの独特な切り取り方に、常に実験的な変化を見せています。主に紙にプリントした平面作品を出品予定。

齊藤瑠里は1981年京都府に生まれ、2003年に京都造形芸術大学芸術学部美術科日本画卒業。現在は東京に拠点を移し、2006年以来、精力的に個展を行っています。端正な線と淡い色彩で、花や女性を描く作品が多く、それらは一見して穏やかなかわいらしい画面を作り出しているようにみえて、その中に垣間見える狂気と生々しさは、観る側に強い印象を与えます。日本画の素材を用いた平面作品を出品予定。

西村加奈子は1981年広島県に生まれ、2007年に多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業。2007年にトーキョーワンダーウォール賞を受賞し、 2008年には、同受賞による個展(東京都庁、トーキョーワンダーサイト本郷)を開催しました。その作品は写実のなかの擬態、違和感、写実を通して単純化された色彩を伴い、また、形の奇妙なゆがみや不確実さを伴って、容易には奥行きを捉えることができない世界を作り出しています。油絵具を用いた平面作品を出品予定。

パク・ジャヒョンは1981年韓国に生まれ。2006年に釜山大学を卒業しました。現在、韓国で制作活動を行っており、日本国内では初めての紹介です。女性像を執拗なまでに細密な点描で描いています。そこに描かれた女性達のうつろな表情、意味を読み取ることができない仕草、付着物などは、観る者にちぐはぐな印象を与えます。画面に漂う空虚さとは裏腹に、彼女たちの肌のなめらかさ、衣服の質感、液体のしたたる様子は、強烈な存在感を訴えかけて来ます。紙にペンで描かれた(点描)平面作品を出品予定。 このような20代を生きる4人の若手作家達が見つめる日常。そこから切り取られたモチーフは、全く奇異なもの、特別なものでないにも関わらず、かつてあった世界から異なる次元へと大きく転化されています。

4人には、いのちをもったもの、あるいはいのちを連想させるものへの、きめ細かな観察が出発点となっている点が共通しているように思われます。「Transformation(転化)」と題された本展のテーマの下、美しく見せるだけの具象絵画とは一線を画す作家達の意欲的な作品を、ぜひご高覧下さい。

※全文提供: Gallery Jin Projects

最終更新 2010年 3月 03日
 

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