上田真由美は1984年生まれ、2009年東京造形大学美術学科絵画専攻を卒業いたしました。昨年の当画廊でのグループ展におきまして、ご好評を頂戴いたしました新人作家です。また今回は、上田にとりましても初の個展となります。 絵画が死に、そして再生し、バラエティーに富んではいても社会とも絵画史ともかけ離れたスタイリッシュで私的なイメージが覆い尽くすこの現代日本の絵画情況の中で、あえてその道を選ばず、あたかも近代の洋画家のようなスタイルを選び取った、その彼女の絵画への取り組みに期待して頂きたいのです。彼女の全ての作品は正方形のキャンバスに描かれ、マレーヴィッチにより絵画の極北をかつて見た後に、強固で絶対的な四角な面に、映像よりも物質を放り込もうと為ているのです。新人作家の偶然とはいえ、その事は彼女の今後に大きな意味を持つものでしょう。 とはいいましても、とても懐かしい絵画が上田の本領です。上田真由美の絵画の、マチエール・色彩・タッチをお楽しみ頂ければと存じております。そしてその後に、懐かしさの理由をお考え頂ければ、今回の展覧会は成功と言えるのです。懐かしいと感じる心にこそ、日本の洋画の歴史が込められているのですから。 何方にでも楽しんでいただける、作品群です。 上田真由美
1984　　大阪に生まれる。2009　東京造形大学美術学科絵画専攻　卒業
個展：　2010　GALLERY ZERO、大阪
グループ展：　2009　「Grotto (洞窟？)」GALLERY ZERO、大阪、2008　「上田真由美/鈴木美葉」ZAIM、神奈川
受賞歴：　2004　堺市展　理事長賞、堺市新人展　入選 ※全文提供：　ギャラリーゼロ