展覧会
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執筆: カロンズネット編集
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公開日: 2009年 10月 30日 |
作家コメント 私は「紙」の表面を丁寧に撫でるように、作品を作る。ここ何年か「紙」と対峙してきたが、さて「紙」とはなにか?という問いについて最近よく考える。
たくさんの繊維が寄り、絡み合ったものが「紙」となるのだ。そういうことだと私は「紙」を理解している。
私はその緊張感のある「紙」の表面を撫でる時、時には強引に絡み合った繊維を離すようにして、しかし決して離してしまわない丁寧さをもって、その一つひとつを確認するのである。
そしてまた、「紙」を撫でることは同時に、「空気」を撫でるようでもある、と思う。やわらかな綿毛のように起き上がった繊維の毛先は、光(あるいは影)を取り込んでその存在感を強くする。 しかし一連の作業を通すと、私はそれらを「紙」と呼ぶことに躊躇する。ではなにかと問われると困ってしまうので、今のところはそのようなもの、ということにしておきたい。
「 」の中を探る試みを、行いたいと思う。
※全文提供: ギャラリーヤマグチ クンストバウ
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最終更新 2009年 11月 07日 |