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津田直:On the Mountain Path
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Published: July 03 2014
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津田直『REBORN #32』Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film, ©Nao Tsuda

写真家・津田直の制作はフィールド・ワークにはじまると言っても良いだろう。本人の言葉を借りれば「遠くに行くのではない。僕は来た場所へ戻ろうとしている。」ということなのかもしれない。近年その活動領域は益々広大なものとなっています。

本展では、ブータンでチベット密教の原点や信仰の在り方に迫ったシリーズ『REBORN(Scene 3)』、 スイス・ヴァレー地方で千年以上前からの人々の暮らしを支えてきた水路を追ったシリーズ『NOAH』。 そして今春、フィリピン・ルソン島のピナトゥボ火山エリアを巡り撮影した新作『Puhu nin Amukaw』(アエタ族の言葉で「バナナの心」の意) の3シリーズから、厳選された42点を展覧致します。

よく目を凝らすと視点の先には、作家が触れようとしている原初の姿を残す信仰や営み、行き交う人々の気配や痕跡が見えてきます。津田直の新たなランドスケープを、是非ともこの機にご高覧ください。

[作家コメント]
人や動物によって踏み固められた山道をひたすら歩き、太陽が沈むように、限りある一日の力が尽きたところで足を止め、そこに眠り、朝を迎える。昨夏レジデンスでスイス・ヴァレー地方に滞在して以来、山中で過ごす日々が続いている。秋口には近年通っているブータン王国にて、チョモラリ・トレックに挑んだ。機材や食材、テントなど数百キロとなる荷を積み、アシスタントとガイド、コック2人に馬11頭、馬飼いの青年を連れての旅立ちだった。歩行から思考を開拓し、作られた地図を広げるのではなく、聳えるヒマラヤの高峰を眺めながら位置を定め、氷蝕のU字谷をゆく。今春、僕は新たなる旅に出た。向かったのは、フィリピン・ルソン島のピナトゥボ火山周域。そこは1991年に20世紀最大規模の自然災害とも言われた大噴火の起きた場所。果たして全ては失われたのか。行くとそこには、灰色の川の中に道が延びていた。(津田直)

全文提供:Gallery916


会期:2014年6月27日(金)~2014年8月23日(土)
時間:11:00 - 20:00(平日) / 11:00 - 18:30(土曜・祝日)
休日:日曜・月曜日(7月21日を除く)
会場:Gallery916

Last Updated on June 27 2014
 

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