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相川勝:あなたがここにいてほしい
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2014年 1月 07日

 

eitoeikoでは2014年最初の展覧会として、相川勝展「あなたがここにいてほしい」を開催いたします。

相川勝は作品「CDs」によって多くのメディアに紹介され、国内外の美術館やギャラリーにおいて作品発表をしてきました。つづいて作家は音楽や映像メディアと芸術における複製に関連して、ビデオ作品やDVD作品を生み出しましたが、このたびの個展「あなたがここにいてほしい」では、同時に進行して制作を続けてきた異なる形式の新作を発表いたします。皆様のご高覧をお待ちしております。

[作家コメント]
「あなたがここにいてほしい」

インターネット回線による電話サービス、Skypeによって接続されたコンピュータがある。
一台の前には被写体が座り、作家の手元にあるもう一台のコンピュータには、モニターに直結した作家手製のピンホールカメラが設置されている。作者の相川勝と彼等は住んでいる場所や時差、ネットワークの状態など大きく異なるが、FacebookやSkypeなどでお互いの状況を共有している。
相川はSkypeにより、彼等のプライベートで無防備な空間に侵入する(PCはたいていプライベートな空間にある)。そして彼らのインターネットとともに生きる生活を写し出す。こうして世界を結ぶデジタル回線によって得られた光をフィルムに感光する30秒間、被写体達は思い思いのポーズをとり、カメラの前で静止する。また、デジタルとアナログを同時に用いる手法は、古今の技術が交錯する場ともなっている。
相川は震災後、この作品を少しずつ作り始めた。震災後、交通が分断され電話が不通となるなか、各地の被災地ともっともコミュニケーションが図れたのはFacebookを初めとしたSNSツールであった。ネットワーク上を流れていく膨大な情報のなかで、そこにあったコミュニケーションのはかなさ、かけがえのなさを切り取り痕跡として残している。
このシステムを使った、もう1つの作品が「ポストカード」のプロジェクトである。相川勝は、世界各地の観光名所に設置された、live cameraを利用してポストカードを作製した。
相川は、モニターにリアルタイムに映し出される世界各地の風景を眺め、よりポストカードにふさわしい瞬間を待ち、ピンホールカメラで撮影する。現地でしか撮ることができない、遠く離れた風景を撮影したこの作品を眺める鑑賞者も、作者と共にその窃視的な好奇心を満たすこととなる。
相川勝は、同じ方法で撮影しながら、個人的でプライベートな関係を撮った写真と、Web上で誰もが見ることができるオープンな風景写真という、両極端の性質を持つ作品を同時に展示する。
それは、ネットワークと写真の両方の特性と問題点を提起している。

[作家プロフィール]
1978年 ペルー生まれ
2004年 多摩美術大学メディア芸術学科卒業
2010年 六本木クロッシング2010展(森美術館)
2011年 Gateway Japan(トーランス市美術館 カリフォルニア州トーランス)
2011年 After Effect(4A Centre for Contemporary Asian Art シドニー)
他展覧会多数

オープニングレセプション 1/11(土)18時~20時


全文提供:eitoeiko
会期:2014年1月11日(土)~2014年2月8日(土)
時間:12:00ー19:00
休日:日・月曜、祝日
会場:eitoeiko
最終更新 2014年 1月 11日
 

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