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谷原菜摘子:NO BOUNDARIES
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2013年 11月 19日

[作家コメント]
私は自分の夢の中に現れる世界を描いている。無意識下に突然現れるそれらには、はっきりとした形と色があり、実体をもっている。夢は私の日常の生活から少しだけずれた世界を見せることもあれば、現実とは何の関わりもない異世界を見せることもある。両方の夢に共通することは常に地獄のように残酷な世界であることだ。
夢の風景を私はできる限り記憶する。私の中でしか存在することができないそれらの形はとても歪つである。遠近がなく大きさもでたらめで破綻していて、国や性別や善悪を分ける境界(baundaries)が存在しない。この境界がないまま存在するそれらを私はとても愛おしく思う。自分の中から生まれたそれらは私の分身のようだ。時が経つと色褪せてしまうそれらを不変のものにしたいと思うので、私は絵を描いている。

夢の世界をそのままの形で壊さないように真黒のベルベットに記録する。どんなに絵の具を置いても輪郭がにじむ黒いベルベットは、夢が始まる前に見える何も存在しない茫漠とした闇によく似ていると思う。そこに筆を置く時、私は意識を保ちながら自分の中の無意識の混沌とした世界に還るような錯覚を覚える。
今回の個展「no baundaries」は自分の無意識の世界の痕跡をどのようにして保存するかという問いに対しての一つ答えであり、これまでの自分の集大成でもある。


全文提供:ギャラリー16
会期:2013年11月19日(火)~2013年11月24日(日)
時間:12:00~19:00(最終日~18:00)
会場:ギャラリー16
最終更新 2013年 11月 19日
 

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