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三好彩:穴の中
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2013年 6月 21日

裸足の頭蓋
2013
油彩、キャンバス
160×130.3cm

イムラアートギャラリー東京では、三好彩個展「穴の中」を開催いたします。

赤、青、黄、緑、ピンク、グレー、黒、白など様々な色彩の油絵具が、時に厚く、ダイナミックに重ねられ、力強い存在感で迫ってきます。描かれるモチーフは、体内の臓器を想起させるような曲線や、シンメトリーの図柄、具象とも抽象ともとれる不思議な形体で、それらが、強烈な色彩で画面いっぱいに広がります。

幼少期から抱いてきた言葉にできない感覚やイメージを描いているが、「自分の感覚を人に伝えるのはとても難しく、言葉にすると違うものになってしまう。完成した作品は、まるで自分の分身のようである」と言います。不安や違和感といった感情からイメージし、描くことが多く、一見不穏で混沌とした世界のようですが、常に自己の内面に向き合い、無垢で純粋な印象をも与え、見る者に強烈に訴えかけてきます。 三好が内に秘める、他人のうかがい知ることができない様々な記憶や感情が、独特で鋭敏な感覚で描き出されます。 2013年3月のイムラアートギャラリー京都の個展以降制作した新作を展示いたします。大胆な筆遣いで描かれる、自由奔放で、エネルギー溢れる作品群を是非ご高覧ください。

[作家コメント]
穴がある
穴の中から外を見ている
穴の外に見える景色もまた穴の中にある

この小さな空洞ではいつも火花と煙と大きなけものが
暗がりのあいだを歩き回りながら
目を閉じたり開いたりしている

愛しくも恐ろしいこの穴の暗がりのその向こうの出来事
本当のことは穴の中か土の中か手の届かないどこかにいて
私たちを見下ろしている

キャンバスの上にあるのは、抽象化された物事ではなく、駆け抜ける心象そのものの写し描きです。
色と形の体を得てあらわれた、私のたくさんの分身を記録しています。
どこまでも孤独であること、全て忘れてしまうこと、消滅することは、極めて日常的で誰も逃げることはできない、空気のようにいつもそばにある、小さな絶望です。
共有不可能である個人の脳に広がる情景を記録する作業は、それらに対する抵抗なのかも知れません。

三好彩

[作家プロフィール]
三好彩  Sae MIYOSHI
1986 大阪府生まれ
2012 京都市立芸術大学美術学部油画専攻卒業

主な個展
2013 「火」イムラアートギャラリー(京都)

主なグループ展
2009 「京都市立芸術大学作品展」京都市立芸術大学(京都)
「油画専攻前期展 オイルショック」京都市立芸術大学(京都)
「三人展忘年会」SoHo Art Gallery(大阪)
2010 「京都市立芸術大学作品展」京都市立芸術大学(京都)
「油画専攻前期展 おとめなんかじゃない」京都市立芸術大学(京都)
「ツマモノ展」GALLERY ANTENNA(京都)
「U35・500人アーティスト小作品販売EXHIBITION」
2011 「京都市立芸術大学作品展」京都市立芸術大学(京都)
「世界でいちばんかわいい12人!」京都市立芸術大学(京都)
「油画専攻前期展 HAKKOU」京都市立芸術大学(京都)
「京都市立芸術大学作品展 」京都市立芸術大学(京都)
2012 「極並佑・黒宮菜菜・三好彩 展」渋谷ヒカリエ8/CUBE1,2,3(東京)
2013 「アートフェア東京2013」東京国際フォーラム(東京)

パブリックコレクション
京都市立芸術大学


全文提供:イムラアートギャラリー東京
会期:2013年6月15日(土)~2013年7月14日(日)
時間:12:00 - 19:00
休日:月・火・祝
会場:イムラアートギャラリー東京
最終更新 2013年 6月 15日
 

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