桑島秀樹:TTL (Through The Lens) |
展覧会
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執筆: カロンズネット編集3
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公開日: 2012年 7月 10日 |
桑島は、仕上がりを綿密に想定し、慎重に並べられたグラスやデキャンタを大判のカメラにて撮影、精度の高いデジタル技術でガラスの透明感を生かした多層 レイヤーを大型の印画紙に銀塩写真と同様の方法でプリントするという技法で制作しています。幾度にも重ねられた被写体の物質感は、光と影により奥深く表現 され、見るものを包み込むようなダイナミックな領域へと増幅していく。未知なる複雑な構造物か、また曼荼羅を思わせるような壮大な画面は、桑島がひとつひ とつ手作業で高精度な位置あわせによって生み出されたものである。その緻密で神秘的な景色は、我々を静かに圧倒し、レンズの中の異次元にいざないます。ぜ ひこの機会にご高覧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
[作家コメント] "TTL" (Through The Lens) カメラという暗箱は私にとってはこの上ない自由を感じるのぞき箱なのです。 「ガラス」を見れば誰がどこからどう見ても「ガラス」と答えようものですが、ひとたびカメラという箱を通せばたちまち視覚的な「ガラス」本来の性格を何ものかにすり替える事も可能なのです。 カメラは誰が持ってもその性質は変わりませんが、別軸の要素としてその使い手に備わった技術、また極めて個人的な美意識や感情に基づいたコントロールがなされれば単純な光とモノの相関性は「作品」という狭義的でありながらも大変な魅力を持った創作物になり得るのです。 私が実制作に当たって最も頼りにしている一つの眼、すなわちレンズは立体として肉眼で得た多くの情報をファインダーという小窓に平面という体裁で表出させ、編集したい情報のみを提示してくれます。 そしてそのレンズを従えたカメラを測量機さながらに見立て、あらゆる事物を用いて組み上げ、構成、考察を繰り返す、つまり3次元と2次元との往来による行程の多層性が作品を創り上げる軸となるのです。 私は写真家ではありますが私にとってのリアリティとは「決定的瞬間」のそれをさすものではなく、レンズを通した様々な制作の工程による時間そのものがリアリティなのです。
桑島秀樹
[作家プロフィール] 桑島 秀樹(Hideki Kuwajima)
1964 大阪に生まれる 1989 日本写真専門学校卒 大阪在住
[主な展覧会] 2011 「The World - Vertical / Horizontal - TTL」スパイラル、東京 「TTL」ラディウム-レントゲンヴェルケ、東京 「Parallax - 内在する視差 -」The Third Gallry AYA、大阪 2010 ART OSAKA 2010 (堂島ホテル)、大阪 2008 「Vertical / Horizontal」ラディウム-レントゲンヴェルケ、東京 2004 レントゲンヴェルケ、東京 2002 ペーパーヴォイスギャラリー、大阪 Limギャラリー、大阪 2001 保加梨ファインアート、東京 2000 保加梨ファインアート、東京 1999 Y's Bash、名古屋
[グループ展] 2012 「蠱惑~巧術其之参」スパイラル、東京 「巧術2.52」六本木ヒルズA/Dギャラリー、東京 「巧術2.51」ラディウム-レントゲンヴェルケ、東京 「DGSM Print、7人の写 真家展」、Gallery EM、東京 2011 「手練~巧術其之貳」スパイラル、東京 「掌10」ラディウム-レントゲンヴェルケ、東京 2010 「巧術」スパイラル、東京 2009 「掌9」ラディウム-レントゲンヴェルケ、東京 2008 「Landshaft IV」ラディウム-レントゲンヴェルケ、東京 2004 「レントゲニア」、レントゲンヴェルケ、東京 2003 「108」、イセファウンデーション、ニューヨーク 「MONO」、レントゲンヴェルケ、東京 「強制再起動」、レントゲンヴェルケ、東京 「The Moning Glory」、パサージュ・ドゥ・デシール、パリ 2001 「STAY WITH ART~眺めの良い部屋~大阪」、Hotel T\'Point、大阪 1996 「JACA日本ビジュアルアート展」、伊勢丹美術館、 東京 1993 「パルコアーバナート#2」、パルコギャラリー、 東京他
[受賞] 1999 「エプソンカラーイメージングコンテスト」、審査委員賞 「APA日本広告写 真家協会 APA2000」、グランプリ 1996 「JACA日本ビジュアルアート展」、特別 賞 1993 「パルコアーバナート#2」、佳作
[その他] 2009 「梅鉢茶会」金沢21世紀美術館、石川 2008 「Equal」メゾンエルメス(ウィンドーディスプレイ)、東京
■ オープニングパーティー 7月14日(土)18:00~
全文提供:YOD Gallery
会期:2012年7月14日(土)~2012年8月4日(日) 時間:12:00~19:00 休日:日・月 会場:YOD Gallery
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最終更新 2012年 7月 14日 |