笹井青依:Quercus |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集3 |
公開日: 2012年 6月 08日 |
笹井青依は1986年神奈川県生まれ。武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コースを修了。 2011年に国立新美術館で開催された東京五美術大学連合卒業・修了制作展では、不穏さを孕んだグレーの空間を背景に、風に靡く2本のユーモラスな形の木を描いた作品で注目を集めました。 笹井の作品に描かれるモチーフは、日常の中で実際に目にした光景に基づいています。新作「Laurales」は、幼少時代に訪れたアメリカでの記憶をもとに描かれました。高速道路を走行中に車窓から見えた、まるで「綿あめ」のような形の白っぽい木々。よく見ると、巨大な蜘蛛の巣が木全体を覆い尽くしていたのです。その奇妙な風景は今でも笹井の中に留まり続けています。また「Myrica」は、住宅街の民家の生垣がモチーフとなっています。外からの視線を遮るために家の周りを囲う木や、土地の境を示す生垣など、笹井の関心は人工的に植えられた樹木へと向けられています。 「自分と外の世界との境界みたいなもの、境目、そういうものがずっと自分の根底にある。」という笹井の言葉から推測されるように、描かれる木は「こちら側」と「向こう側」の狭間に立ち、何かを隔てるものの象徴として存在しているのです。 笹井にとって初めての個展となる本展では、150号のキャンバスに油彩で描かれた絵画6点と、ドローイング3点余りを展示いたします。今後の活躍が期待される若手作家の新作を、どうぞご高覧ください。 *オープニングレセプション:6月5日 (火) 18:00-20:00 全文提供:アンドーギャラリー 会期:2012年6月5日(火)~2012年8月11日(土) 時間:11:00-19:00 休日:日・月・祝 会場:アンドーギャラリー |
最終更新 2012年 6月 05日 |