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MAMプロジェクト 017: イ・チャンウォン
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2012年 4月 23日

イ・チャンウォン《壊れやすい楽園》2008年 | ベニバナによる壁のインスタレーション 300x360cm | 展示風景:space*c コリアナ美術館(ソウル)| Photo: Park Hyun Jin

イ・チャンウォン《パラレル・ワールド》2011年 | 雑誌、新聞、鏡、光 | 展示風景:キム・チョンヨン美術館(ソウル)

イ・チャンウォン《解放》2010年 | 雑誌、新聞、鏡、光 | 展示風景:ロカール01(ブレダ、オランダ)

ー光が映し出す影、もう一つの世界―認識の不確かさに迫るアートー
森美術館は、2012年6月16日(土)から10月28日(日)まで、「MAMプロジェクト017:イ・チャンウォン」展を開催します。イ・チャンウォン(1972年生まれ)は、ソウル国立大学美術学校卒業後、ミュンスター芸術アカデミーで学び、ドイツを拠点に活動してきました。イはトリッキーな作品を通して「見る」という行為に対する問いかけを行います。代表作である人物のシルエットのシリーズは、遠目にはキャンバスに描かれた絵画のように見えます。しかし実際には、ブラインド状に水平に並べた白い板が壁に取り付けられており、板に載せた茶葉やベニバナが作る陰影によってイメージが浮かびあがる仕掛けになっています。今回出品する《パラレル・ワールド》は、写真の切り抜きを使った作品で、切り抜いた空白部分に鏡と光を当てることによって、躍動感のあるシルエットが壁に活き活きと映しだされます。しかし素材となっている新聞や雑誌の報道写真には悲惨な場面も多く、紛争地域で倒れた人のシルエットが切り抜かれたものもあります。「パラレル・ワールド」はシリーズとして過去にも展示されていますが、本展では東日本大震災を含む日本のニュースからのイメージやその他の新たなソースを含めた新作として発表します。くっきりと浮かびあがる像が、触れたらすぐに崩れてしまう繊細な素材によって形作られていること、無邪気に遊ぶシルエットの裏に悲劇が隠されていることに気づくとき、私たちは目に見えているものを疑い、自らの認識の不確かさを知ることでしょう。私たちは何を見ているのか、世界をどのように 把握しているのか。視覚的な面白さを巧みに用いながら、イは見ることの仕組みとその危うさを暴こうとします。

[作家プロフィール]
1972年、韓国インチョン生まれ。ソウル国立大学美術学校卒業後、ミュンスター芸術アカデミーで学び、10年以上ドイツを拠点に活動し、現在ソウル在住。 主な個展に、「リフレクション」ドゥ・アートギャラリー/ギャラリー・ヒ ュ ンダイ(ソウル、2007年 )、「デ ィ サピア」AANDOファインアート(ベルリン、2009年 )、「パラレル・ ワールド」キム・チョンヨン美術館(ソウル、2011年 )など。主なグループ展に「ソフト・パワー」上海証大現代美術館(2007年 )、「 自然を通してのアート」space*c コリアナ美術館(ソウル、2008年)、「シティ・ネット・アジア 2009」ソウル美術館(2009年)、「遊園地 」ロカール01(ブレダ、オランダ、2010年)など。

●入館料:一般 1,500円、学生( 高校・大学生 )1,000円、子供(4歳-中学生 )500円 *表示料金に消費税込
*森美術館「アラブ・エクスプレス展:アラブ美術の今を知る」と共通、展望台 東京シティビュー(スカイデッキを除く)への入館料を含みます。

●パブリックプログラム
お申し込み: 5月 17日( 木 )11:00より森美術館ウェブサイトにて先着順に受け付けます。
WWW.MORI ART.MUSEUM

■ アーティストトーク (日韓同時通訳付)
出演:イ・チャンウォン
日時:2012年 6月 17日(日)14:00-15:30
会場:森美術館展示室内
定員:80名( 要予約 ) 料金:無料( 要展覧会チケット)

■ キュレーター対談 「ゼロ年代の韓国現代美術 」(日本語のみ)
出演:北澤ひろみ(キュレーター)、荒木夏実( 森美術館キュレーター)
日時:2012年 6月 30日(土)14:00-15:30
会場:森美術館展示室内
定員:80名( 要予約 ) 料金:無料( 要展覧会チケット)

全文提供:森美術館


会期:2012年6月16日(土)~2012年10月28日(日)
時間:10:00 –22:00  火 10:00 –17:00 *いずれも入館は閉館時間の 30分前まで
会場:森美術館

最終更新 2012年 6月 16日
 

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