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なつやすみの美術館「みること」「うつすこと」
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 6月 29日

名和晃平 《PixCell[Camereon]》 2003年 ミクストメディア
画像提供:和歌山県立近代美術館
Copyright© Kohei Nawa

和歌山県立近代美術館では、さまざまな視点からテーマを設けて、コレクションを紹介しています。今回は、「みること」「うつすこと」をテーマに、美術のひとつの側面に光をあてます。

見えるものを写すことは、長いあいだ、美術の目的でした。目に見える世界を写しとり、絵画や彫刻として再現することが、美術の仕事とされてきたのです。

しかし、19世紀に発明された「写真」は、レンズを通した光を定着させることで、見える世界をそのまま写し取ることを可能にしました。写真という新しい現実の出現は、逆に「みる」という体験についての再考を促します。現実の似姿のようにみえるけれども、現実とは異なる世界。写真に写された世界は、私たちの見ている世界とは?リアルとはなにか?と問いかけます。そして、これまでの美術も、その役割や存在を問われることになりました。見るために必要不可欠な「光」、あるいは記録される「時間」や「記憶」といった問題もより意識されるようになります。

原版を転写することで制作される「版画」も、写すことによってしか得られないイメージを生成する美術表現です。原版とその写しの間に生じる差異やズレこそは、版画の本質といえるものですが、「うつす」という行為そのものを問うような作品も生まれています。

この展覧会では、「写真」や「版画」といった「うつす」メディアを用いた現代美術の作品を中心に紹介し、「みること」と「うつすこと」をめぐる不思議について、みなさんと一緒に考えてみたいと思います。

主な出品予定作家
トーマス・ルフ チャック・クロース 野村仁 デビッド・ホックニー ロジャー・アックリング 上田薫 鴫 剛 杉本博司 吉田克朗 斎藤智 井田照一 吉田重信 中西信洋 名和晃平 大西伸明 瑛九 瀧口修造 加納光於 孫雅由 ・・・(順不同)

関連事業(予定)
・ワークショップ「もっと光を2」 講師:佐藤時啓(東京藝術大学教授)
8月20日(土)、21日(日)
※内容や応募方法については決まり次第、当館ホームページ等にてお知らせします。詳しくはお問い合せください。
主催:NPO和歌山芸術文化支援協会 協力:和歌山県立近代美術館

・フロアレクチャー(学芸員の展示解説)
7月10日(日)、7月18日(月・祝)14時から、2階展示室にて(要観覧券)

・こどもギャラリートーク(子どもを対象としたトーク。親子でも参加できます)
7月30日(土)、8月7日(日)、8月13日(土)14時から、2階展示室にて(要観覧券)

※全文提供: 和歌山県立近代美術館


会期: 2011年7月2日(土)-2011年8月28日(日)
会場: 和歌山県立近代美術館

最終更新 2011年 7月 02日
 

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