アグネス・マーティン:マルチプルドローイング |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2010年 8月 15日 |
私は平面を塗ったことは有りません。ただ水平なラインを描き出しただ けな のです。 あるとき私はすべての線を見いだし、そして悟りました。 私が好きなのはこ の水平なラインなのだと。 アグネス・マーティンはミニマリズムで知られ るアメリカの代表的なアーティストです。 1912年、カナダに生まれ、その後アメリカに移住。2004年12月に92歳で亡くなりまし たが、彼女の40年に渡る作家活動は、ほぼ全てが細い水平線とグリッドを 描く ことで貫 かれて来ました。 よくミニマリズムの作家として紹介されるアグ ネス・マーティンですが、彼女の作風は 姿形こそミニマリズム的では有りますが、すべて手描きで行われたという、震えるように 細く美しいラインの軌跡からはむしろ、メカニカルなミニマリズムの精神とは裏腹に、 彼女自身、自らを抽象表現主 義作 家と定義していた様に、繊細な手仕事からなる精神的な 要素を多分に含んだ感性の作家として認識されるべきでしょう。 この展覧会では1991- 1992年にオランダのステデリック美術館を皮切りとして全4館で 巡回、開催された「Agnes Martin - Paintings and Drawings」展の際に制作された限定版 10枚組のマルチプルドローイング作品をご紹介致します。マルチプル版画 作品 では有ります が、その画面には彼女が精魂を込めて描き上げて来た作品達への大いなる愛情を確かに発見 することが出来るでしょう。 ※全文提供: サナギファインアーツ 会期: 2010年8月21日(土)-2010年9月4日(土) |
最終更新 2010年 8月 21日 |