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デイヴィッド・ラトクリフ 展
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 2月 22日

画像提供:小山登美夫ギャラリー copy right(c) David Ratcliff

デイヴィッド・ラトクリフの制作は、インターネットからとった画像を素材としてコラージュをつくることから始まります。紙に印刷されたそれは長い時間をかけてナイフでくりぬかれ、ステンシル(型)へと姿を変えます。ラトクリフはこのステンシルをキャンバスに置き、一色のスプレーを一気に吹き付けてペインティングを完成させます。 このようにしてつくり出されるイメージは、幻覚的な様相を帯びています。背景には、長年の海外生活の後に再度向き合ったアメリカ社会における、消費社会を支えるある種の暴力、アメリカ的でかつ醜いものへのラトクリフの興味があります。また近年は、彼の作品はより抽象に近づいています。特に、一度使用したステンシルを再度使って制作される「セカンド・ペインティング」のシリーズは、ステンシルが摩耗しているがために、生み出されるイメージの抽象度がより高くなります。そのためにカオティック、狂乱、不穏などのキーワードがよりふさわしい作品になっています。 ラトクリフのペインティングは、制作の物理的なプロセスが、目に見える結果としてあらわれるという特徴をもっています。またそれと同時に非常にアレゴリカル(寓話的)であるといえるでしょう。素材のリソースであるアメリカ社会の暴力、不安、恐怖を示唆する彼の作品は、混迷の現代に生きる私たち全員に力強く迫ってきます。 【この展覧会について】
本展では、約10点のペインティング作品を展示いたします。新作を中心に、2008年制作の未発表の2点を含む、「セカンド・ペインティング」シリーズで主に構成されます。「自分にとっても特別な展示となる」と作家自身語っています。この機会に是非ご高覧下さい。 【作家プロフィール】
デイヴィッド・ラトクリフは1970年ロサンゼルス生まれ。92年、プラット・インスティトュート(ニューヨーク、ブルックリン)卒業。現在ロサンゼルスを拠点に制作を行っています。主な個展を?Team Gallery(ニューヨーク、05、07、08年)、Maureen Paley Gallery(ロンドン、09年)等で、主なグループ展をP.S.1 Contemporary Art Center(ニューヨーク、06、08年)、Blum & Poe(ロサンゼルス、06年)で開催。2005~2006年のトリノ・トリエンナーレでも脚光を浴びました。作品はフランク・コーヘン現代美術館(マンチェスター、イギリス)、ロサンゼルス州立美術館、サーチコレクション(イギリス)等にパブリックコレクションとして収蔵されています。小山登美夫ギャラリーでは2007年に続き2度目の個展となります。 ※全文提供: 小山登美夫ギャラリー

最終更新 2010年 3月 19日
 

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