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菅野泰史 個展「海のトレース」
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2018年 9月 07日

2016年作品(TOKI Art Space、2016年企画シリーズ "Real/Matereal" vol.2 より)

    菅野泰史は石を素材とする彫刻作家です。しかし石という存在の意味、そして、彫る、削る、磨く、という行為の意味を問い続けることによって、彼の中で彫刻という概念は解体され、石はその重く硬い塊という性質から解き放たれていきました。ある時は宙に浮き、ある時は水面のように流れ出し、またある時は光となって空気に溶け込むように。
    2011年の震災以降、宮城県出身の菅野は被災地の海岸を巡りながら、海の姿を映像で記録してきました。今回の最新作は、それらの海の表情を石の表面に映しとり、水面に揺らぐ光の陰影を石の表面の起伏として彫り込むことで、「彫刻」でありながら同時に「写真」でもある作品となります。人間の生命を超えて存在し続けるであろう「石」が、デジタルなものに消して置き換わることのない実在として、人間の記憶を記録する媒体となるのです。

http://galleryk.la.coocan.jp

全文提供:Gallery K


会期:2018年9月17日(月) 〜 2018年9月29日(土)
時間:11:30~19:00 土曜日~17:00
休日:日曜日
会場:Gallery K

最終更新 2018年 9月 17日
 

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