ミヒャエル・ボレマンス:Girl with Hands |
展覧会
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執筆: カロンズネット編集3
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公開日: 2013年 12月 26日 |
この度ギャラリー小柳では、2014 年1 月11 日(土)から3 月1 日(土)の会期で、ベルギー人アーティスト、ミヒャエル・ボレマンスの個展「Girl with Hands」を開催いたします。 ミヒャエル・ボレマンス(Michaël Borremans)は1963 年、ベルギー中西部のヘラールツベルヘン生まれ、現在はゲントで制作活動を行っています。1990 年代半ばよりグループ展などで作品の発表を開始して以来、国内外の美術館やギャラリーで個展を開催。その作品は、ニューヨーク近代美術館やパリ市立近代美術館をはじめ、世界の主要美術館に収蔵されています。2010年にはベルギー王室の委嘱を受け、ブリュッセルの王宮の一室に絵画作品で構成されたインスタレーションを手がけました。日本では2008 年にギャラリー小柳で個展を開催、2011 年の横浜トリエンナーレにも出品しています。 フランドル絵画の伝統を想起させるような、精緻な技術で描き出されるボレマンスの作品には、静謐な時間と、どこか謎めいた雰囲気が満ちています。そこに配された登場人物たちは、しばしば意味のない儀式的な作業や動作に没頭しています。その情景は、リアルに見える一方で、映画や舞台のセットのような非日常的な印象を与え、現実と非現実世界の境界線に立たされる鑑賞者の心のなかに、残像として深く響き渡るのです。近年には、絵画と同化するような映像作品も手がけ、さらに創作の幅を拡げています。 ギャラリー小柳での二回目の個展となる今回の展覧会では「Girl with Hands」と題して、ボレマンスが初めて単一モチーフの連作だけで構成する野心的な展示を行います。意味のない手作業に没頭する少女の8 枚のペインティング。それらは単にポーズがそれぞれ違うだけでなく、描き方や筆致、光の具合、時間の流れ、少女の存在感から鑑賞者との心理的な距離まで、驚くべき豊かなヴァリエーションを生み出しています。さらに、同じテーマによる新作の映像作品も加えられ、深く静かなボレマンスの創作世界が完成します。 展覧会の初日、1 月11 日(土)午後6 時からのレセプションには作家が来廊いたします。 ぜひこの機会にご取材いただけますよう、ご案内申し上げます。 なお、同じく1 月11 日より、ボレマンスのアジア初の美術館での個展が原美術館(東京)で開催されます。完成作の少ないことで知られるボレマンスの主要な作品30 点余りを展覧するまたとない機会となることでしょう。また2 月末には、京都造形芸術大学の企画により、建仁寺 両足院(京都)でボレマンスによる初めての墨絵によるドローイングが展示されます。 ギャラリー小柳
[作家プロフィール] ミヒャエル・ボレマンス MICHAËL BORREMANS 1963 年、ベルギー ヘラールツベルヘン生まれ 現在、ベルギー ゲント在住
主な個展 2015「As sweet as it gets」Dallas Museum of Art(ダラス、アメリカ) 2014「As sweet as it gets」Tel Aviv Museum of Art(テルアビブ、イスラエル) 「As sweet as it gets」Bozar(ブリュッセル) 「Girl with Hands」ギャラリー小柳(東京) 「The Advantage」原美術館(東京) 2013「The People from the future are not to be trusted」Zeno X Gallery(アントワープ) 2012「Magnetics」BAWAG Contemporary(ウィーン、オーストリア) 2011「The Devil\'s Dress」David Zwirner(ニューヨーク) 「Eating the Beard」Kunsthalle Helsinki(ヘルシンキ、フィンランド) 「Eating the Beard」Mücsarnok / Kunsthalle Budapest(ブダペスト、ハンガリー) 「Eating the Beard」Württembergischer Kunstverein(シュトゥットガルト、ドイツ) 2010「Eating the Beard」Kunstnernes Hus(オスロ、ノルウェイ) 「Eating the Beard」Zeno X Gallery(アントワープ) 「Commission for the Belgian Queen」Royal Palace, Brussels(ブリュッセル) 「Looking for the face I had before the world was made」Museum of Contemporary Art,Denver(デンヴァー、アメリカ) 2009「Automat」Kestner Gesellschaft(ハノーヴァー、ドイツ) 「Taking Turns」David Zwirner(ニューヨーク) 2008「Ausstellung zum Overbeck Preis für Bildende Kunst der Gemeinützigen」Overbeck Gesellschaft Lübeck(リューベック、ドイツ) 「Earthlight Room」ギャラリー小柳(東京) 「Painted Fruit」Zeno X Gallery(アントワープ) 「Weight」Centro de Artes Visuais(コインブラ、ポルトガル) 2007「Veldwerk」De Appel Arts Centre(アムステルダム、オランダ) 2006「The Good Ingredients」La Maison Rouge - Fondation Antoine de Galbert(パリ) 「Horse Hunting」David Zwirner(ニューヨーク) 2005「The Performance」The Royal Hibernian Academy, Gallagher Gallery(ダブリン、アイルランド) 「Hallucination and Reality」The Cleveland Museum of Art(クリーヴランド、アメリカ) 「The Performance」Parasol Unit Foundation for Contemporary Art(ロンドン) 「An Unintended Performance」S.M.A.K.(ゲント) 2004「Michaël Borremans: Drawings」Museum Für Gegenwartskunst(バーゼル、スイス) 「Four Fairies」Kunsthalle Bremerhaven(ブレーマーハーフェン、デンマーク) 「Fisherman\'s Luck」Zeno X Storage(アントワープ) 2003「Trickland」David Zwirner(ニューヨーク) 2002「Young and Innocent」Zeno X Gallery(アントワープ) 2000「Vereniging van het S.M.A.K.」S.M.A.K. Stedelijk Museum voor Arctuele Kunst(ゲント) 1999「The Fetish Paintings」Croxhapoxruimte(ゲント) 1998「The Mind and It\'s Limit\'s」In den Bouw(カルケン、ベルギー) 1997 Cerebral Office, Voorkamer(リール、ベルギー) Huize St.-Jacobus(ゲント) 1996 Croxhapoxruimte(ゲント)
オープニング・レセプション 1月11日(土)18:00〜20:00 作家来廊
全文提供:ギャラリー小柳
会期:2014年1月11日(土)~2014年3月1日(土) 時間:11:00 - 19:00 休日:日・月曜、祝日(冬期閉廊:12 月28 日~1 月10 日) 会場:ギャラリー小柳
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最終更新 2014年 1月 11日 |