コレクション展2013/14-冬 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2013年 12月 24日 |
当館は、1963(昭和38)年に和歌山城の敷地内に開館した和歌山県立美術館を前身として、1970(昭和45)年11月、県民文化会館内に開館しました。明治時代以降の和歌山ゆかりの作家を紹介することを中心に活動を続け、1994(平成6)年には黒川紀章の設計による現在の建物でリニューアルオープンしました。それに伴い、作品収集の範囲を国内外に広げ、現在では総数1万点を超える作品を所蔵しています。 コレクション展においては、幅広い美術の表現に接していただけるよう、季節ごとに展示を替え、さまざまな観点から作品紹介を続けています。今回は前半部分に「和歌山ゆかりの作家と近現代の美術」「溶け込む抽象」「人と衣服」の3つのコーナーを、特集展示を挟んだ最後のエリアには「版の表情」と題したコーナーを設けています。 まず「和歌山ゆかりの作家と近現代の美術」では、西洋文化に触れた明治期以降の日本が、アイデンティティを模索しながら歩んできた美術の流れを、和歌山ゆかりの作家を中心に、また新収蔵作品も交えながら紹介いたします。続く「溶け込む抽象」では、抽象作品における筆致をテーマに、マーク・ロスコや岡田謙三、山田正亮など、大画面の作品に見られる手わざのあとをたどります。そして「人と衣服」では、人体表現とは切り離せないながらも、普段は気に留めることのない衣服の表現を集めています。時代や地域の区分を越えることで、作品の新たな側面が見つかるのではないでしょうか。 展示の最後では、同時開催の特集展示「人間と宇宙のドラマ:吹田文明・堀井英男・長岡國人」展における版画作家たちの紹介に関連して、木版や銅版といった版種の特質がもたらす表現の豊かさに、特に注目した版画家たちを紹介します。木版画の特性を追求した吉田政次や、メゾチントの黒で巧みに描き出す浜口陽三ら和歌山ゆかりの版画家を中心に、さまざまな版種が生み出す表情をお楽しみください。 出品点数はおよそ110点の予定です。どうぞご高覧ください。 全文提供:和歌山県立近代美術館 会期:2013年12月17日(火)~2014年2月23日(日) |
最終更新 2013年 12月 17日 |