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Published: July 04 2012 |
1976年東京都生まれの廣江友和は、2002年に武蔵野美術大学油絵学科を卒業しました。
廣江はルーベンスと同じ絵画の古典技法「第二フランドル技法」で丹念に下地を作り、明るいグレーや黄色オーカーの地塗りの上に立体的にモチーフを描いていきます。三次元的な描写を際立たせるこの白い下地の背景を、廣江はあたかも日本画の余白のように用い、油彩の表現に違和感を持たせます。そうして描かれた画面に赤い色で二次元的なイラストや、書のような緊張感のある線を書き加えることによって、新たな次元を作り出します。また仕上げはニスの代わりにビニールで作品を覆い、写真のような均一なツヤを画面に与え、 新しい絵画の領域に迫ります。
今展に出品する「ideal house」では、併置した家具や人物のイメージの周りに、正面図のような赤い線を描くことによって、建物の一階と二階を生み出します。赤い線が書き込まれることによって、静物画の中にストーリーが生まれ、そこに描かれてはいない情景が動き出します。また余白の上に描かれた家と、人形のイラストが不思議な奥行きを作り出す「uneasy house」など、家と室内を題材にした作品5点を発表します。
古典技法とオモチャ、立体と平面、油彩とビニール等、異質な物をコラージュのように混ぜ合わせ、すっきりと解釈しきれない、後を引くような不安定で不可解なものこそが廣江が表すリアルな感覚と言えます。一見アットホームな作品の裏に潜む異次元の世界にどうぞご期待下さい。
Reception:August 21 17:30 - 19:30
全文提供:Showcase
会期:August 21~September 8,2012 時間:11:00 - 19:00 休日:Sun/Mon/National Holidays 会場:Showcase
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Last Updated on August 21 2012 |