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三嶋典東:LINE MAN
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 5月 25日

画像提供:ナンヅカ・アンダーグラウンド

このたび、NANZUKA AGENDAは三嶋典東(1948-)の個展を開催致します。三嶋典東は、70年代に粟津潔、寺山修二の下で経験を積んだのちにフリーとして独立、以降、イラストレーター、ブックデザイナー、グラフィックデザイナーとして、印刷メディアにおいて40年以上に渡り幅広く多彩な活動をしてきました。80年代に「線」の魅力に取り付かれて以来、作家としての創作活動を開始し、線画を描き続けてきたアーティストです。80年代中期に5年間かけて立て続けに刊行した3部作の作品集、「雨 RAIN TRAIN」「風 WIND MIND」「光 LIGHT FIGHT」や、2009年に刊行した全576ページにも及ぶ作品集「LINE STYLE」等、自身の本領とする紙媒体による精力的な作品発表の他、近年では、3時間にも及ぶライヴドローイングを行う等、その創造はコマーシャルデザインだけには留まりません。

本展は、大型アクリルと透明フィルムに描かれた新作と、25年間の作品群から厳選されたドローイング作品を組み合わせた、大型インスタレーションからなる予定です。今回の展覧会において、三嶋は自身の描く線の質を3分類致しました。壁の下段には、人が寝ている時に見る夢や、目を閉じて捉える妄想をベースにした、非合理的で空想的な「夢の線」。中段には、人が読書をする姿勢での正視、思考をベースにした、論理的な「読書の線」。上段には、人の立った姿勢や、全身のありったけの動作を表現した、自由で本能的な「越境の線」を描き、訪れた人の視線の高低に対応した展示空間を創り出します。更に、手書きの線描にあわせて、照明を利用した影線も生み出します。

三嶋は、今回の個展に寄せて、次のように語っています。

「20世紀半ば生まれの者にとって、身近にあるペンや鉛筆等の硬筆を使う創作はとても自然なことです。自分の手を使い、肉体を定規にし、想像力を働かせて、最も素朴でシンプルな方法の線描で創造する行為は、自分にとって大変魅力的で、命題的なものだと感じています。今回は、25年間の線描画の山からピックアップした古いドローイングと、新しく透明アクリルや透明フィルムに描いたドローイングを重ね合わせてみようと、夢の時空に特徴的な混乱と癒着、歪曲と転移などをヒントにしました。ヒトが夢見るしくみは、ヒトの生命活動そのもののありようでしょう。自分のドローイングもただ単に生命活動の素朴な表れなのだ、と強く思うようになって来ております。」

※全文提供: ナンヅカ・アンダーグラウンド


会期: 2010年7月22日-2010年8月7日

最終更新 2010年 7月 22日
 

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