山田喜代春:手描き詩画集「絵日記 万歩のおつかい」発刊記念 |
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Published: June 13 2011 |
There are no translations available. 卓越した木版技法と味わい深い詩が入った木版画で著名な京都在住の作家、山田喜代春さん。 23歳の時に画家になろうと決めヨーロッパに渡り絵を学び、このころから詩も書き始めました。 うわべや流行りを追いかけるだけの絵ではなく、自分の目と手で自分にしか描けないほんものの絵を描きたい。 詩と絵を一枚の紙に同居させたい。試行錯誤して木版画にたどり着き40年間、人生や何気ない日常から 大事なことをさりげなく掬いとってくれる独自の木版画を制作し多く人の心をとらえててきました。 山田さんが作家活動の初期より始めた木版画の頒布会「板切れ月報」は現在30年目に入り、全国に多くの愛好家がいます。 長期継続の会員が多く、現在も限定枠の空席待ちが続いています。 元立命館大学教授で「上方芸能」誌 発行人 の 木津川計さんが、この6月8日NHKラジオ第一放送で、 想像力、発見力の視点から山田さんの詩の魅力をこのように話されています。 詩というもの、総じて文学は、想像力と発見力と表現力、この三つを必要とします。 しかし文学の根幹は発見力にこそある。日常の平凡を描いても山田さんの発見の眼は輝いています。 『星がチカチカひかるのは子どもがなでているから』 なるほどなぁ。純真な子どもの手でなでるから光るんやね。大人がなでたら濁ります。想像力の面白さであります。 『神さまに手紙を書いて虹にはさんでおきました 虹いろににじんで読めないと神さまから返事がきました』 虹に手紙をはさむという想像力が意表をつくんです。 『失敗の多い人やダメな人を許すことのできるおおきなこころをもとう まずてはじめにぼく自身を許そう』 ぼく自身を許そうという発見力の詩ですね。 『悔いのない人生なんかおもろないわ』 人生後悔する事ばっかりです。せやさかいにおもろいと言われたらなんかほっとしますね。 山田さんの発見力の秀逸にこんな詩があります。 『あなたの乳房に指で円を引きこの線よりだれもはいるな』 このとおりでしてね、誰も入るな、ぼくだけの乳房やないか、と、男はみんな思うてるんです。 木版作家としては多くの著書があり、なかでも1990年に出版され絶版となった「ぼくはコペルニクスだ。」は、 例年全国で開催している個展会場で復刻の希望が最も多く聞かれてきました。 2011年4月に出版された山田喜代春さんの「絵日記 万歩のおつかい」は、 新作83編を加えた待望の全124編の珠玉の詩画集です。 このたびは、山田喜代春さんの待望の新刊発行を記念して、建前ではない独白の詩とほろ苦い想いをユーモアでくるんだ原画と、 これまでの傑作木版画、新作の木版画とともに約50点展示します。 ひさしぶりの東京展をぜひご高覧ください。 山田喜代春 (やまだ きよはる)略歴 木津川 計(きづがわ・けい) ※全文提供: ワイアートギャラリー 会期: 2011年7月6日(水)-2011年7月12日(火)9:00 - 21:00(最終日 - 17:00) |
Last Updated on July 06 2011 |