五島記念文化賞美術新人賞研修帰国記念 石田尚志:燃える椅子 |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集3 |
公開日: 2013年 10月 21日 |
タカ・イシイギャラリーは、10月26日(土)から11月22日(金)まで、石田尚志個展「燃える椅子」-五島記念文化賞美術新人賞研修帰国記念-を開催致します。本展は、タカ・イシイギャラリーと五島記念文化財団による共催となります。タカ・イシイギャラリーでの二度目の個展となる本展では、波のように増殖する有機的な線を一コマずつ描いては撮る手法で「映像」に変貌させるドローイングアニメーションによる最新作品を展示致します。今回の作品では、コンクリートの壁と床にチョークでドローイングが描かれ、そしてそこに水が撒かれてチョークの線が消えてゆき、撒かれた水もまた乾いて消えてゆく、その反復するイメージが描かれています。コンクリートの壁と床に対して、定着ができない素材が使用されていることで、生成し消滅していくイメージの連鎖がよりいっそう浮き上がります。またこれは、石田の五島記念文化財団の助成によるカナダとイギリスでの滞在中に制作された「リフレクション」の対となる作品でもあります。「リフレクション」がそうであったように、スタジオ内の人工の照明ではなく、制御のできない自然光を取り入れることによって、ドキュメンタリーとしての側面に対しても新たな冒険がなされています。 これまで石田は、「部屋/形態」(1999年)、「椅子とスクリーン」(2003年)、「海の壁 生成する庭」 「海の映画」(2007年、横浜美術館公開制作)、「リフレクション」(2009年)、「白い部屋」(2012年)などのドローイングアニメーション作品において、おもに絵具を使用していましたが、チョークを使った試みは今回の作品が初めてとなります。そして、水で描くという行為は、東京都現代美術館で展示された沖縄の浜辺に絵を描くドキュメンタリー「浜の絵」(2011年)や、夏のコンクリートの地面に即興で絵を描いていた「夏の絵」(2010年)などの作品で試された技法であり、その発展といえるでしょう。また、原稿用紙に描かれたドローイングを透過光で組み合わせる極めて実験的な新作もあわせて発表致します。 「燃える椅子」は、これまでの作品のなかでもっとも夢の領域に近づいた仕事だと感じている。「リフレクション」が昼の絵画だったとすると、これは夜の絵画だと思う。 石田尚志 オープニング・レセプション:10月26日(土)18:00 – 20:00 全文提供:タカ・イシイギャラリー 会期:2013年10月26日(土)~2013年11月22日(金) |
最終更新 2013年 10月 26日 |