都築響一:HELL |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2011年 3月 30日 |
都築響一の写真には、人間の生き様がある。 タイ各地の寺院にある地獄のテーマパークは、一般の旅行ガイドブックには紹介されない「穴場」である。信仰心や教育上の目的のため、あるいは怖いもの見たさの者達が訪れるこの場所は、地元の人達の手によって作られた巨大なセメントのオブジェで溢れている。 デフォルメされ色鮮やかに塗装されたアマチュアチックな造形は、どれもリアルな恐怖を喚起するが、同時にどこか懐かしくほのぼのとした情景を浮かび上がらせている。それは地獄というテーマ性を除けば、現地の人達の営みそのものを表しているようにも見える。誰に与えられたでもない世界の片隅で、どこにでもいる人間達が、どこにでもいるアーティストとして暮らしている、そんな日常の姿も見えてくる。 決してありふれてなどいない、どこにでもあるアートを撮り続ける都築響一の極楽地獄には、並みのアートでは敵わないのだ。 この展覧会は、稲荷町の GALERIA DE MUERTE と 神田岩本町の ZENSHI による同時開催の企画です。会場日時については違いがありますので、各会場の詳細をお確かめください。会期中各種イベントや特別展示の開催も予定しています。 都築響一 ※全文提供: ZENSHI 会期: 2011年4月22日(金)-2011年5月28日(土) |
最終更新 2011年 4月 22日 |